心理共生学科 教育課程編成・実施の方針

「心理共生学科学位授与の方針」に掲げる能力・資質を身につけるため、「京都女子大学教育課程編成・実施の方針」に基づき教育課程を体系的に編成し、カリキュラム・マップ、カリキュラム・ツリーやナンバリングを用いてその体系性・構造を明示する。

1～2年次前期までは、ウェルビーイングの向上や共生社会の構築に資する人材としての基盤となる、心理学、社会福祉学、養護保健学等の基礎的知識を身につけるため「学部基盤科目」及び「専門基礎科目」を設定する。学部基盤科目では、カウンセリングマインドや福祉マインドおよび健康科学に関する基礎的素養を身につけるとともに対人援助職の職責の違いを学ぶ。専門基礎科目では、心理学の主要領域や研究法、「人」「環境」「人と環境の交互作用」に関する理論、ソーシャルワーク実践、幼児期から青年期における心理、学校保健・医学の基礎的知識を学ぶ。2年次後期以降は、対人援助に関するより高度な専門知識・技能や、収集・分析したデータに基づき課題解決する力を養うことを目的とした「専門発展科目」を配置する。学生が自身の関心や将来像に応じて、履修モデルやカリキュラム・ツリーを参考としながら、体系的に専門性を積み上げる教育課程とする。

心理共生学部共通の汎用的技能として、情報技術を用いてデータを適切に処理・分析する基礎的能力を演習を通して獲得する。心理学領域においては、データ収集・分析などの基本的なデータサイエンスの知識を駆使して、課題解決方策を提案できる力及びエビデンスに基づき心理的支援を実践するための科目を配置する。社会福祉領域では、ウェルビーイング向上に向けて、個人のストレングスやレジリエンシーに気づくために様々な情報を収集・分析できるアセスメント能力を養い、科学的根拠に基づくアプローチを実践するための科目を配置する。養護保健領域では、学校保健分野と連動し実践的な指導力を高めるとともに、保健の分野のみならず児童生徒の人間的成長を、心理学・福祉学分野を包括したグローバルな視点からサポートするための科目を配置する。

１年次から４年次まで開講する演習科目を通して、物事を複数の視点から考えて統合する力や、未知の現象や困難な状況にあっても専門的知識・技能を活かし、事実に基づき科学的に対処できる能力を養う。

1年次から４年次まで開講するPBL（Problem Based Learning）型の演習科目や各領域に配置する対人援助に関わる実践演習では、グループワークを通して、他者を尊重しながら論理的なコミュニケーションによって相互理解・調整に努め、様々な人々と協働できる力を身につける。「心理共生実践」では、人間や人間関係について深い関心を持つとともに、個性や多様性を尊重しつつ他者と積極的にコミュニケートできる力を多職種連携教育の枠組みで養う。

建学科目群の「仏教学」や共通科目群に配置された「ジェンダー科目」「教養科目」等を通して、仏教精神に根差す高い倫理観と市民に必要とされる幅広い教養、より良き市民としての社会的責任感を醸成する。
専門科目群の履修を通して対人援助に必要な倫理観を学ぶと共に、演習科目や卒業研究における双方向の指導を通して社会の規範に従って行動する態度、様々な価値観を持つ人々とチームを組む中で必要に応じてリーダーとなりフォロワーとなるメンバーシップを発揮することができる力を養う。

卒業研究を必修とし、自ら設定した目標に対して主体的に取り組む能力の確立を目指すとともに、社会の多様な課題の解決に他者と連携しながら、能動的に貢献できる能力を培う。

学修成果は、各授業科目の到達目標の達成度について、シラバス等で学生に明示した成績評価基準を用いて評価する。また、成績分析や卒業研究、授業アンケート、ジェネリックスキル測定テスト等の結果を用いて、教育課程全体の検証を行う。