古典も近代も充実の貴重書 豊富な図書館資料 2026年度から新たに文学部共通の文献文化財プログラムがスタートしますが、それは、本学が、80万冊以上の一般の研究図書などに加えて、貴重な典籍類を豊富に所蔵していることによって成り立つものです。例えば、古典和歌関係の貴重書の宝庫として知られてもいて、上の写真の『三十六人歌合絵巻』はその一つです。ほかに、江戸時代の古写本群から成る『方丈記コレクション』などもありますし、自殺する一年半前に書いた芥川龍之介の自筆書簡など、近代文学関係の貴重資料も少なくありません。それら“本物”をさまざまに活用して、京女ならではの学修・研究を進めることもできます。
狂言を実際に演じる授業 伝統芸能に親しむ 「国文学特殊講義3B」の授業では、受講生が狂言《口真似》の実演に取り組みます。グループに分かれて、半年間で仕上げた成果を公開発表。難しい狂言独特の台詞や所作を覚え、3人の息をぴったりあわせるために練習を重ね、チームワークを育みます。観るだけではなく実際に演じることで、「狂言」の本質と、奥深さを理解し、研究に生かすことができます。
日本語文化を伝える「くずし字」を全員が修得 入門演習B 右上に載せた『三十六人歌合絵巻』の写真には、猿丸大夫と小野小町が描かれ、それぞれの絵の上に、くにゃくにゃした、蛇みたいな文字で歌が記されています。これが「くずし字」です。右側の猿丸大夫の方の歌は、『小倉百人一首』にも入っている有名な歌で、最初の5文字は「おく山に」です。漢字の「於」「久」から生み出された「お」「く」を、楷書でなく、くずして連ねて書いています。漢字「山」をはさんで、その下には「に」と書いていますが、今の「に」とは形が違いますね。漢字「仁」をもとにした今の「に」ではなくて、「尔(爾)」をもとにした「に」を書いているのです。1回生後期の入門演習Bでは、こうしたくずし字を読む練習をします。練習すれば、誰でも読めるようになります。そして、それが、文献に向き合う際の基礎力になります。
本を置いて、京都の街へ繰り出そう! 学生が企画するフィールドワークを開催 学生の取り組み 2026年度から新たに、文学部共通の京都文化観光学プログラムがスタートしますが、日本語日本文学科では、学内で本を読んで学ぶだけでなく、京都の東山という抜群の立地環境を生かして、できるだけ実地に赴き、その目で見て体感し、理解を深める授業や機会を多く設けています。 その一環として、担当の学生が下見などを行って企画し、希望者が参加する、京都女子大学国文学会「学会ウォーク」を定期的に開催しています。 2024年11月末に開催した「学会ウォーク」では、南禅寺からスタートして永観堂へ、さらには哲学の道を通って法然院を訪れました。仏教文学や、江戸時代の歌舞伎に登場する名所、あるいは文豪の墓所など、日本文学ゆかりの土地をめぐり、教員の解説を聞いて学びながら、東山の紅葉をベストなタイミングで満喫。学生同士や教員との親睦を深めることもできました。