

これまでの取り組み
2023年度:PDF資料


2023年度のポスターにあるQRコードを読み取ると、こちらのPDF資料にアクセスできる仕組みになっています。資料のテーマは「電車での性暴力について一緒に考える」です。
この資料もポスターと同様、特に第三者に向けた内容となっています。これは、性暴力を被害者個人の問題ではなく、社会全体が考えるべき問題であることを伝えたいという思いから作成しました。詳しくは下のURLから閲覧できます。
2023年度:ポスター
協力:京都市交通局様


こちらは、2023年度に京都市交通局様の協力のもと制作したポスターです。従来のポスターのターゲットは加害者や被害者、被害者を助けようとする第三者でした。しかし、このポスターでは、対象を社会全体、特に加害者の肩を持つ第三者と傍観する第三者に焦点を当てています。
ポスター内では第三者として4台のスマホを描いています。3台の黒いスマートフォンには「嫌なら声出せば?」など被害者をさらに傷つけ、加害者の肩を持つ第三者の認識を具体的な言葉を用いて描きました。一方、赤いスマートフォンには「痴漢 見かけたら」と検索し、被害者に寄り添いたい第三者を対照的に描きました。
ポスターの目的は、電車内・駅構内の性暴力、痴漢盗撮に対する「認識のずれ」を再確認してもらうことです。そこで、ポスターを見る人が自分の「認識のずれ」を振り返ってもらうきっかけになるよう、「被害者責めてませんか」という標語を問いかけとして設定しました。自分の「認識のずれ」が、無意識に被害者を傷つけ、加害者の肩を持つ行動になりかねないことに気付いてほしいという思いが込めています。
2022年度:ポスター(2枚連作)
協力:京阪電気鉄道株式会社様


こちらは、2022年度に京阪電気鉄道株式会社様の協力のもと、2枚連作で制作したポスターです。
京阪電車の駅や電車内、デジタルサイネージに掲出されました。
加害行為を止めるために、ひとりひとりにできることがあると伝えたいという思いから、「電車内・駅構内の性犯罪(痴漢・盗撮)を防ぐ」という目的で制作しました。
1枚目は、痴漢・盗撮の事件現場に遭遇した複数の第三者が、どう解決に関わるべきか、葛藤する様子や悩みを表現しました。
2枚目は、第三者が実際に被害に遭っているかもしれない方に声をかける様子を描き、第三者が事件に介入するヒントや、痴漢・盗撮を目撃したときにできることを提案しました。
他にも、ポスターのQRコードから読み取ると、被害者・加害者・第三者それぞれに向けた情報や、2枚目のスマホ内に表示されている「だいじょうぶですか 声をかけましょうか」といった文言が記載されたカード式の画像データにアクセスでき仕組みを作成しました。「かいにゅうさん」と名付けたこのカードは、痴漢被害に遭っていると思われる人に画像を見せ、その反応を確認した上で、被害に遭った人に寄り添った対応をするためのツールとしてして作成しました。
2021年度:ポスター
協力:阪急電鉄株式会社様


こちらは、2021年度に阪急電鉄株式会社様のご協力のもと制作したポスターです。「だれもが乗りやすい電車」をテーマに、阪急の方と数回にわたって議論を行いながら制作しました。
痴漢がなくならない理由のひとつに、痴漢は「やってもいいもの」「されても仕方のないもの」という認識が社会に少なからず存在していることが挙げられます。痴漢は、深刻な性暴力であり、性に対する人権侵害です。被害者に対して何か行動を要求するのではなく、このポスターを見た人に対して「痴漢はどのようなものなのか」ということをストレートに伝えることを目的にしました。
ポスターに記載された言葉は、実際に被害を受けた方に学生がインタビューして伺った内容をもとにしています。また、文字を手書きにしたのは、ポスターを通して『人の存在』を感じてもらいたいという意図からです。そして、壊れたハートのデザインは、一目見て「傷ついた」というイメージが伝わるようにするために採用しました。
書き手が想像されにくいような文字を使うことを意識し、加害者・被害者等の人物を書かないことで、誰にでも起こりうることだということを表現しました。
2021年度:ポスター
協力:京都府警察鉄道警察隊様


こちらは、2021年度に京都府警察鉄道警察隊様のご協力のもと制作したポスターです。
痴漢の現場に居合わせた第三者を対象に、警察に通報することを促すことを主眼におきました。ポスターに具体的な行動を示すことで、通報のハードルを下げるよう なポスターを目指しました。