

ジェンダー教育研究所
「京女から始めるジェンダー再考~社会を動かす私たちの力とは?~」—ジェンダー教育研究所学生リーダーがイベントを実施しました。
2025年1月29日(水)、京都女子大学図書館1階交流の床ホールにて、フェリス女学院大学准教授関口洋平先生をお招きし、「京女から始めるジェンダー再考~社会を動かす私たちの力とは?~」を開催しました。本イベントは、ジェンダー教育研究所「未来を創るプロジェクト」令和6年度採択案件「自分らしい未来を創る!京女生キャリアデザインプロジェクト byジェンダー教育研究所学生リーダー」の活動の一環です。企画立案や当日の進行はすべて本学ジェンダー教育研究所学生リーダー(以下、学生リーダー)が担当しました。
本イベントは、映画や講演、ディスカッションを通じて”ジェンダー平等”とは何か、そしてその実現に向けた有効な手段とは何かについて考え、「個人のレベルでのジェンダー平等を社会のレベルでのジェンダー平等につなげる」ことを目的としています。
イベントは、映画「未来を花束にして」上映会と、フェリス女学院大学准教授関口洋平先生のご講演の二部構成で開催しました。まず、20世紀前半のイギリスの女性参政権運動を描いた映画『未来を花束にして』(原題『SUFFRAGETTE』、イギリス、2015年、サラ・ガヴロン監督)を鑑賞し、権利獲得の歴史と当事者の闘いについて学びを深めました。鑑賞後のディスカッションでは、多くの差別や偏見、犠牲の上に今の”当たり前”があること、投票率の低下が問題となる中、参政権を無駄にしないための主権者教育の重要性などの意見が共有されました。
続いて、関口洋平先生にご登壇いただき、「“イクメン神話”を捉え直す」というテーマでご講演いただきました。講演では、「”イクメン”をマイノリティ男性としてよいのか?」という問題意識のもと、流行語にもなった「イクメン」という言葉に潜む違和感や罠について掘り下げました。また、ジェンダーの権力構造の中で男性がどのように位置づけられているのかを研究する「男性学」というアプローチについても述べられ、本学ではあまり学ぶことのなかった分野のお話に参加者は強い関心を持ちました。
講演後にはグループごとに関口先生と意見を共有する時間を設け、家族観や自身のキャリアについて自由な議論を行いました。関口先生が准教授を務めるフェリス女学院大学とは、昨年11月にも学生・先生方との交流を実施しており(https://www.kyoto-wu.ac.jp/laboratory/gender/news/boogco000000kgqs.html)、参加した学生リーダーからは今後も女子大の意義や魅力を発信できるイベントや交流を継続していきたいといった意見が挙がりました。
終了後のアンケートでは、参加者から「映画と講演のどちらも充実したプログラムで、全員が関口先生とお話することができてよかった」、「イクメンに対してどのようなアプローチができるのか考えを深めるきっかけになった」、「男性学をテーマにした講演はまさにジェンダーを再考することにつながった」などの感想が寄せられました。
本イベントを通じ、学生リーダー・参加者は映画と講演の両方から、ジェンダー平等の歴史と権利獲得を実現するための方法、現代まで続くジェンダーをめぐる社会構造について考える機会となりました。学生リーダー一同、今後もジェンダー教育や学生のキャリアについて、より深く学ぶことができるイベントを企画して参ります。
本イベントにお越しいただいた関口洋平先生、大学関係者の方々に心より感謝申し上げます。
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関口先生のご講演の様子 -
参加者と記念撮影