

研究所長挨拶


京都女子大学生活デザイン研究所のキーワードは「京都・デザイン・ものづくり」です。実践的教育の一環として、また、研究の成果を社会に還元するために、地域社会や企業、公共団体等と連携してデザイン活動を行うとともに、地域のまちづくりに関する調査研究を実施しています。当初は家政学部生活造形学科において教育の一環として始まり、2015年12月に大学の付属施設となって、全学的な活動拠点がスタートしました。
主な連携事業は、京都市、京都府警察本部をはじめ東山警察署、東山消防署、祇園町南側地区協議会など大学の近隣地域からの啓発デザイン制作を行うプロジェクトです。それぞれの事業ごとに学生たちが課題に向き合い、担当教員の指導や助言を受けながら発想力を活かして課題解決の核心を見い出し、さらに連携団体との協議を重ね、学生らしい新鮮で活き活きとしたデザインを制作し提供しています。この事業は各団体から高く評価され、参画した学生に対して感謝状が授与されるなど、本学の実践教育の場として有益な活動実績をあげています。
民間住宅供給事業者等と連携したリノベーション事業では、住宅空間やインテリアに興味を持つ学生を対象とした学内プロポーザルを実施して、学生の学習意欲と実践力を高める貴重な機会となっています。さらに近年では、連携活動の場は京都府以外にも拡大し、2019年度から岐阜県白川村役場との連携協定を締結して、観光案内板をはじめ様々なデザイン制作に取り組んでいます。
研究活動では、京都府舞鶴市に所在する猟師町の町並み保存に関する研究を舞鶴市から受託し、近世からの地割を継承する貴重な歴史的地区として高い価値を有することを明らかにするなど、地域の特色を活かしたまちづくりに貢献しています。
以上のように、本研究所は地域連携、社会貢献を志す全学の教員、研究員、研究所スタッフ、研修員、学生などがさまざまな形で力をあわせて、デザインの力で社会に新しい気づきや喜びを与える、そんな研究所を目指して日々活動しています。