心理共生学科
【入門演習Ⅰ】避難所設営プログラム「BHELP(避難所支援)入門」を実施しました!!
日本災害医学会の地域保健・福祉の災害対応標準化トレーニングコース BHELPの実習を通して、心理共生学科の特長である、一つの専門だけでなく多角的な視点を養い、人々のウェルビーイングの向上を支援するために、避難所設営の方法や医療・福祉・学校という多職種連携の方法を学ぶことを目的として、今年度も7月31日(金)に実施しました。
日本災害医学会 石井美恵子理事による講義「日本の避難所の課題とBHELP標準コースの取組みについて」をお聞きした後に、理学療法士、作業療法士、看護師、医師、社会福祉士、大学教員等の7名のインストラクターによる避難所レイアウト演習を通し、多職種連携の基礎を学びました。
熊本地震の直後ということもあり、今回は猛暑の中での避難所設営を考えることができました。大きな震災や災害などが起こった場合、学校が避難所になることが多く、養護教諭などの対人援助職を目指す学生にとって有意義な時間となりました。この入門研修も3年目となりました。今年度中にはBHELP標準コースを開催したいと考えています。
学生の感想の一部を紹介させていただきます。
<学生の感想>
・私にとって災害について深く考えるとてもいい時間になりました。これまで私は大きな災害を経験したことがなく、災害について考えること自体に怖さを感じ、無意識のうちに避けてきていたと思います。しかし、避難所の現状や被災者の生活について知る中で、多くの課題があることに衝撃を受けました。
特に印象に残ったのは、避難所での生活環境です。水道が止まり、十分なトイレが確保されていなかったり、衛生状態が悪化したりすることがあると知りました。また、食事についても栄養面で大きな課題があり、ユニセフによる調査が行われて、被災者の健康を維持するには十分とは言えない現状があることを知りました。さらに、車中泊によるエコノミークラス症候群のリスクが高く、重症化する前に早期発見や支援を行うことの重要性も学びました。これまで避難生活のニュースを見ているとき「避難所だから不便なのは仕方ない」と固定概念が無意識にあったと思います。避難生活であっても、人としての尊厳や心身の健康が守られる環境が必要であり、「避難所だから当たり前」という考え方を見直さなければならないと感じました。
・今回の講義のグループワークでは、避難所のレイアウトについて考えた。設定は、京都小 学校が避難所となっている状況で、季節は夏、水道や電気が止まっているという条件であった。
私たちはまず「子どもに優しい避難所」をテーマとして設定した。授乳室や子どもが自由に遊んでストレスを発散できるスペース、大勢の人と一緒にいることが辛くなった子どもが落ち着いて過ごせる部屋などを設けた。また、保護者が安心して子どもを見守れる環境づくりも意識した。子どもは災害時に自分の不安や困りごとを十分に言葉で表現できないこともあるため、安心して過ごせる空間の必要性を改めて感じた。
グループワークでは、インストラクターの方からアドバイスや新たな課題が提示され、避難所運営についてより深く考えることができた。避難所には子どもだけでなく、高齢者や障害のある人、ペットを連れた人など、さまざまな立場の人が集まる。そのため、一つの課題を解決しようとすると別の問題が生じる場面も多く、全員が納得できる避難所づくりの難しさを実感した。例えば、ペットと一緒に過ごしたい人への配慮を重視すると、動物が苦手な人やアレルギーを持つ人への対応も必要になる。また、高齢者が生活しやすい環境を整えるには、移動しやすさや静かな空間の確保なども考慮しなければならない。
さらに、夏場の避難所には特有の課題も存在する。暑さによる熱中症や感染症、食中毒などのリスクが高まるため、限られた設備の中で衛生管理や健康管理を行うことが重要であると学んだ。特に、水道や電気が停止した状況では、普段当たり前に使っている設備のありがたさを強く実感した。飲み水の確保やトイレの使用、室温の調整など、日常生活を支えるインフラの重要性を改めて認識する機会となった。
