第一期中期計画
1. 学園基盤整備
(1) 学校法人運営体制の強化及び効率化に関する事項
(ア) 適切な組織運営及びその改善
- 戦略的な組織運営が行えるように、組織改革を推進するとともに、透明性のある開かれた学校運営を行うために、内部監査体制を確立し、教職員に対する情報提供を適切に行って、様々な意見を組織運営に反映できる体制整備を目指す。
- 法令改正に適切に対応するとともに、コンプライアンスに対する役員、教職員の意識向上を目指す。
- 様々なリスクに速やかに対応できる体制を整備するとともに、危機を未然に防止するための環境整備を目指す。
- 点検評価を適切に行い、京都女子学園の教育研究の現状を広く公表し、あらゆるステークホルダーに対して常に説明責任を果たせる組織を目指す。
- 新たな人事制度を確立するとともに、教職員の採用方針を明確にし、職位・職階に応じた研修体制を整備して、教職員が自らの成長や仕事の成果を実感できる組織運営を目指す。
(イ) 事務等の効率化・合理化
- 機動的な組織運営を行うために、法人の戦略に沿った教職員の適正配置と事務組織の整備を目指す。
- 業務の棚卸し、マニュアル化、電子化を推進し、一定の権限移譲を行って、事務組織運営の効率化・高度化を目指す。
(2) 財政基盤整備に関する事項
(ア) 予算編成、予算執行
- 長期目標、中期計画、各年度の事業計画の執行状況を踏まえ、次年度に目指す具体的な事業計画にもとづき、実質的な予算編成を行い、予算化された事業を確実に執行するPDCAの確立を目指す。
- 教育研究改革を推進する観点から、同規模他校と同等以上の教育研究経費比率の確保を目指す。
(イ) 外部資金、寄附金その他の自己収入の増加
- 補助金を始めとする公的経費や外部研究機関等からの資金の獲得に努めるとともに、恒常的な寄附金募集体制を整備し、自己収入の充実を目指す。
(ウ) 経費の抑制
- 教育・研究活動の活性化を阻害しないように、運営経費等の支出抑制に継続的に取り組み、無駄の少ない効率的な経営を目指す。
(エ) 資産の運用管理
- 現行の運用方針を見直し、5年から10年かけて50億円から100億円を原資として新たな運用方法に取り組み、原資が積みあがった段階では奨学金支出額に見合った運用益の確保を目指す。
(オ) 学園内各校の経営状況改善施策
- 第二次グランドビジョンの次の時代においては、すべての学校種で進学対象人口が大幅に減少することから、学校規模の適正化や事業範囲の拡大等に取り組み、経営的な構造転換を目指す。
(3) ONEキャンパスの実現に関する事項
(ア) 学園内各校の教育連携
- 全学園の教育連携を継続的に推進し、優秀な入学者の安定した確保を目指す。
(イ) インナーブランディングの推進
- 京女ブランドの価値や目指す姿を明確にし、教職員及び学生・生徒・児童・園児やその保護者への浸透を目指す。
2. 大学部門 教育・研究基盤整備
(1) 中期計画の策定
(ア) 中期計画の策定
- 学園全体で作成された中長期計画をベースに、大学部門におけるより具体的な5年間の中期計画の策定に取り組み、中間地点での見直し、最終年度の見込み評価を行って、次期中期計画を策定するPDCAの確立を目指す。
(2) 教育研究等の質の向上に関する事項
1) 教育基盤整備
(ア) 学部・学科等組織の改編(改組)
- 本学の教育資源や社会的ニーズを踏まえて、学部・学科等組織の改編に年次計画で取り組み、理系あるいは文理融合分野の開設、副専攻や学位プログラムの実現など、多様で柔軟なプログラムの整備を視野に入れた改革を目指す。
- 学士課程改革の方向性に合わせて大学規模に適した大学院組織・規模への改編に取り組み、定員管理の適正化を目指す。
- 京都女子大学におけるSDGsやダイバーシティへの取り組み方針を確立し、具体的な取り組みを開始する。
(イ) 教育内容及び教育の成果等
- 学生一人ひとりが、どのような力を身につけ、どのように成長できたかを実感できる教育課程・内容を全学的な教養教育の観点を含めて整備するとともに、学修成果の可視化に取り組み、3ポリシー及びアセスメントポリシーを踏まえた内部質保証にかかるPDCAを適切に機能させ、IRを活用して評価・改善につなげられる教学マネジメント体制の確立を目指す。
(ウ) 教育の実施体制等
- 教育理念・教育目標を達成するために適切な教員組織を編成するとともに、教育の質の改善のための教育設備の整備やFD活動の推進を目指す。
(エ) 国際化
- 「京都女子大学国際化方針(2016~2020)」を踏襲する形で、次期国際化方針を策定し、引き続き本学学生の留学を奨励するとともに、本学への留学生の受入れを促進するために、留学希望者のための英語及び初修外国語教育の充実や受入れ留学生のための日本語教育を充実させ、派遣学生、受入留学生ともに増員を目指す。
(オ) 情報教育
- 数理・データサイエンス等の基礎的な素養を持ち、正しく大量のデータを読み解き、新たな価値を創造できる能力を育成するため、全学共通の情報教育課程の確立を目指す。
(カ) 学生支援
- 社会人、留学生、障がいのある学生、メンタルケアを必要とする学生、経済的に問題を抱えた学生など、多様化する学生の課題に対応できるよう修学支援環境の整備を目指す。
(キ) 進路・就職支援
- 低学年時からのキャリア意識の醸成、自己啓発機会の充実に努め、学士課程教育の成果の指標として重要視される実就職率の向上、及び進路・就職内容の充実に教職協働体制で取り組み、誰一人取り残さない支援体制を目指す。
2) 研究基盤整備
(ア) 研究水準及び研究の成果等
- 本学における研究の多様性を尊重し、研究者の特性に応じた研究活動を支援する。
(イ) 研究実施体制等
- 本学の有する知的資源の活用や多様な研究及び特色ある研究を効率的、持続的に推進するためのマネジメント体制の整備を目指す。
- 女子大学として女性研究者の育成に取り組むとともに、若手教員が研究力を向上できる環境の整備を目指す。
3) 社会連携・社会貢献
(ア) 産官学連携
- 地域社会との持続的な連携を行い、地域社会活性化への貢献を目指す。
- 公的機関・企業等との共同研究・受託研究等を積極的に推進し、社会・経済の発展に寄与し、本学の教育研究活動の基盤向上を目指す。
(イ) 多様な学びの機会提供
- 生涯学び続ける機会の充実を目指す。
- 女性の社会復帰やスキルアップを目的とした履修証明プログラムとしてのリカレント教育課程の継続・発展に取り組み、本学の重要な機能としての確立を目指す。
(ウ) 研究所
- 各研究所の地域社会における存在意義を明確にし、適切に点検評価を行って、社会貢献し続けられる運営を目指す。
4) 卒業生ネットワーク
(ア) 卒業生ネットワーク
- 卒業生との関係を強化し、本学の様々な教育研究における連携を目指す。
(3) 入学者獲得
1) 入試制度改革
- アドミッション・ポリシーをより実質化し、求める人材と整合性のとれた入試制度の確立を目指す。
2) 戦略的広報と募集活動の充実
- 受験生や資料請求者の情報を適切に分析し、効果的に広報活動を展開するとともに、高校現場との連携を強化して、本学の求める人材の確保に繋がる高大接続の確立を目指す。
(4) 魅力あるキャンパスの構築・活用等
1) キャンパスの維持・整備
- 将来的な校舎建築用地として、中心校地に隣接する有効な土地の取得を目指す。
- 第三次東山キャンパス整備計画を策定し、高等学校・中学校及び小学校のキャンパス整備との工程を整理して、早期の耐震化100%達成を目指す。
- 計画的に施設設備の修繕を実施し、常に安全で美しいキャンパスの維持を目指す。
2) 情報環境整備等
- 第二次ICT整備計画を策定し、一定の予算の範囲内で計画的な情報設備の整備を目指す。
- 事務の効率化を目的とした情報環境の整備を目指す。
3) 安全管理
- 学生の安心・安全を確保できる体制整備を目指す。
3. 高校・中学校部門 教育基盤整備
(1) 第1期中期計画の策定
- 学園全体で作成された中長期計画をベースに、高校・中学校部門におけるより具体的な5年間の中期計画の策定に取り組み、中間地点での見直し、最終年度の見込み評価を行って、次期中期計画を策定するPDCAの確立を目指す。
(2) 教育等の質の向上に関する事項
- 学力・進路保障の観点から、コース・類型の見直しを検討するとともに、授業力をさらに向上させるために、教科会での共通理解のもと、他教科との連携を含めた協働体制で、生徒の学習に対するモチベーションをさらに高める工夫をし、生徒の学力の向上を目指す。
- 学力とリンクしている生活指導面について、生徒が自立するために必要な規範意識を育み、責任をもって自主的に判断し行動ができるように生徒を指導する。
- 大学部門や小学校部門との連携を強化し、学園一貫校としての特色強化に努める。
(3) 入学者獲得に関する事項
- 大学入試制度改革や高等学校無償化施策に適切に対応するとともに、進学塾等からの情報確保に努め、生徒募集活動を積極的に推進する。
- 競争力を維持し、京女ブランドを保持し続けるため、将来的な適正規模について検討を行う。
(4) 魅力あるキャンパスの構築・活用等に関する事項
1) キャンパス整備計画の推進
- 令和2年度から3年度にかけて基本設計を完了し、令和3年度から令和4年度にかけて実施設計を行って施工業者を選定し、令和6年度からの新校舎の使用開始を目指す。
2) 教育環境の整備
- 既存校舎のICT教育設備等の教育環境の充実を目指す。
4. 小学校部門 教育基盤整備
(1) 第1期中期計画の策定
- 学園全体で作成された中長期計画をベースに、小学校部門におけるより具体的な5年間の中期計画の策定に取り組み、中間地点での見直し、最終年度の見込み評価を行って、次期中期計画を策定するPDCAの確立を目指す。
(2) 教育等の質の向上に関する事項
- 校長のリーダーシップのもと、進学指向に対応した指導体制の充実や特色ある教育の整備に取り組むとともに、外国語教育やプログラミング的学習教育事業を推進する。
- 大学附属の小学校として、発達教育学部のある大学部門との連携を強化し、併設された小学校としての特色強化に努める。
(3) 入学者獲得に関する事項
- 保護者や児童のニーズを見極め、教育環境の整備に取り組むとともに、幼児教室等からの情報確保に努め、児童募集活動を積極的に推進する。
- 競争力を維持し、京女ブランドを保持し続けるため、将来的な適正規模について検討を行う。
(4) 魅力あるキャンパスの構築・活用等に関する事項
1) キャンパス整備計画の推進
- 大学や高等学校・中学校のキャンパス整備期間とのバランスを見ながら、校舎の増築工事を推進する。
2) 教育環境の整備
- ICT教育環境の充実に努めるとともに、体育館やプールなど老朽化の進行している施設設備の改修を推進する。
5. 幼稚園部門 教育基盤整備
(1) 第1期中期計画の策定
- 学園全体で作成された中長期計画をベースに、幼稚園部門におけるより具体的な5年間の中期計画の策定に取り組み、中間地点での見直し、最終年度の見込み評価を行って、次期中期計画を策定するPDCAの確立を目指す。
(2) 教育等の質の向上に関する事項
- 園長のリーダーシップのもと、幼稚園としての教育レベルの維持向上に努めるとともに、大学部門との連携を強化し、大学に併設された幼稚園としての特色強化に努める。
(3) 入園者獲得に関する事項
- 幼児教育無償化制度に適切に対応するとともに、幼児教室等からの情報確保に努め、園児募集活動を積極的に推進する。
- 保護者層のニーズを見極めて、園バスルートの変更や適切な預かり保育体制の維持に努める。
(4) 魅力あるキャンパスの構築・活用等に関する事項
- 施設設備の経年劣化に適切に対応する。
以上