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第2次グランドビジョン

京都女子大学100年の歴史

女子大学設立への情熱

3人の女性

女子教育の道が固く閉ざされていた明治時代、その時流に抗う3人の女性がいました。仏教主義による女子教育を実現するため、京都女子学園の前身「顕道女学院」を開設した甲斐和理子女史。本願寺で女性の自発性啓発と女子大学の設置に尽力し、仏教婦人会の礎を築いた大谷籌子裏方と九條武子夫人。新たな時代を見据え、女子教育の理想を追い求めた3人の情熱から、京都女子大学の歴史は始まりました。そして明治45(1912)年には、女性自身が女性活躍の必要性を高らかに謳った女子大学設立趣意書が発表されています。それから100年を過ぎてもなお、日本社会は真に女性活躍を実現できているとは言えない現実があります。本学は女子大学であるからこそ、真摯にこの課題に挑戦していきます。

日本の現状

日本社会の「女性の現状」を変えるために

日本社会を支える女性人材教育に力を注いできた京都女子大学は、文学部、発達教育学部、家政学部、現代社会学部、そして女子大学として唯一の法学部を持つ女子総合大学へと発展してきました。しかし、現代の日本の社会は、海外の主要国と比べて、意思決定領域における女性参画が大きく遅れているのが現状です。SDGs5番目の目標である「ジェンダー平等推進」の担い手を育成するうえでも、本学の責任かつ社会的役割は大きいと言えるでしょう。

ジェンダーギャップ指数(GGI)

男女格差を図る指標において、日本のランキングは世界121位。G7の中で最下位と、他の先進国に比べ遅れが目立ちます。特に政治・経済分野における格差は非常に大きくなっています。
上位国と主要国の一覧

順位 国名 スコア
1 アイスランド 0.877
2 ノルウェー 0.842
3 フィンランド 0.832
4 スウェーデン 0.820
5 ニカラグア 0.804
6 ニュージーランド 0.799
7 アイルランド 0.798
8 スペイン 0.795
9 ルワンダ 0.791
10 ドイツ 0.787
15 フランス 0.781
19 カナダ 0.772
21 英国 0.767
53 米国 0.724
76 イタリア 0.707
81 ロシア 0.706
106 中国 0.676
108 韓国 0.672
121 日本 0.652
日本の各分野の点数

分野 スコア(順位) 昨年のスコア(順位)
経済 0.598(115位) 0.595(117位)
政治 0.049(144位) 0.081(125位)
教育 0.983(91位) 0.994(65位)
健康 0.979(40位) 0.979(41位)

出典:世界経済フォーラム(World Economic Forum)[2019年12月]

日本が解決すべき今後の課題とは…

政治やビジネスなど、主要な意思決定領域において女性の参加が遅れている大きな要因は、「家庭内での女性の負担の大きさ」や「伝統的な社会構造・風習」にあるといった分析結果が目立ちます。そうした日本の古い考え方にとらわれず、男女が等しく支え合う社会を構築していくためには、
自分らしく生きていける女性・自分の力を信じて社会で活躍できる女性の育成が大切なのです。

だから京都女子大学では

これらの実現から「女子大学の役割」を果たします

京都女子大学の使命

第1次グランドビジョンの中間点を迎えた平成28(2016)年、本学は若手の教員、事務職員に学生を加えた京都女子大学の使命を言語化するプロジェクトを推進し、次のような言葉を京都女子大学の行動指針として定めました。
第2次グランドビジョンにおいても、建学の精神を言語化したこの指針は変えることなく、全教職員が多様な学生の教育に全力を注ぎます。

「らしさをつよさに未来をひらく」

時代や社会が大きく変化していく中で、しなやかな心と感性を持つ女性の力が必要とされています。
京都女子大学の使命は、いのちの不思議に心を澄ます、豊かな感性を育み、一人ひとりの「らしさ」を尊重して、伸ばし、未来の可能性を広げること。
一人ひとりの、しなやかに強く生き抜く力を育むこと。
一人の幸せを、社会の幸せに繋げていく。
未来をつくるのは、京都女子大学です。

「学生と共に成長する大学」

大切なのは、感謝できる心と、感動できる心。
自己を見つめて、あたり前ではない有り難さに素直に感謝できる心。
真摯に世界を見つめ、まっすぐに感動できる心。その心が、芯となり、「一生つづくチカラ」となるのです。
まっすぐでもいい。まわり道でもいい。少しぐらい間違ってもいい。時には、失敗してもいい。
学生時代のたくさんの挑戦と経験が、揺るぎない自信を生み、困難に挑み、挫けない、しなやかで、凛とした女性を育むのです。
私たちは、そうした学生一人ひとりの成長に伴走します。
私たちは、学生に教えるとともに、学生に教わります。
時には心から褒め讃え、時には厳しく叱りながら、 学生と共に語らい、共に喜び、共に悲しみ、共に感動を分かち合います。
学生に寄り添いながら、私たち自身も成長を続けます。

第1次グランドビジョン(2010-2019)

本学は、平成22(2010)年からの10年間に目指すべき目標として、次の8項目からなるグランドビジョンを制定し、様々な活動を推進してきました。
女子大学初の法学部開設をはじめ、各種センターの設置、新図書館の建築等を実現し、特に地域連携・貢献の分野では、新たにリカレント教育課程を開設するなど、本学の新たな可能性を切り拓きました。
 

  • 01

    建学の精神にもとづき、“すべてのいのちを大切にする女性”を育てる大学であり続けよう。

  • 02

    “21世紀の社会を担う女性”を育成するために、すべての学部・学科の改革を実行するとともに新しい学問分野にも挑戦し、 研究水準、教育水準の両面において日本の女子大学をリードしつづける大学を目指そう。

  • 03

    “社会から真に求められる能力”を育成するために、これまで以上に教職員の教育力を向上し、 京女らしい教育課程を整備して、“教育力の京女”として社会から評価される大学にしよう。

  • 04

    “学生のための教育”を第一に、これまで以上にきめ細かい学生支援体制を整備して、 学生が夢を実現し満足して卒業できる大学にしよう。

  • 05

    “10年後の京女”をイメージして、東山の立地・環境を生かした総合的なキャンパス整備を実現し、 これからも学生が気持ち良く学び、還ってきたいと思える大学にしよう。

  • 06

    “京都東山と世界とを結ぶ大学”を目指して、学生を国際社会に送り出し、 世界の様々な地域から学生を受け入れることができる大学にしよう。

  • 07

    “地域・社会とともに発展する大学”を目指して、これまで以上に本学の教育・研究力を地域・社会に発信し、 その勉学意欲に応えられる開かれた大学にしよう。

  • 08

    在学生、保護者、同窓生、旧教職員を含めた“京女コミュニティー”を形成して、本学の発展を支える基盤となし、 すべての京女関係者が誇りを持ち続けられる大学にしよう。

新グランドビジョン(2020 - 2029)

Topics 01

データサイエンス系新学部の設置(構想中)

令和5(2023)年開設を目指し、社会科学的視点から多様なイシューを解決に導くことのできるデータサイエンティストを養成する新学部の設置を構想しています。
データサイエンス分野への女性の進出は不足しており、企業と連携しながら人材養成に取り組みます。

Topics 02

既設学部の改革

時代の変化に合わせて、文学部、発達教育学部、家政学部の改革、大学院組織の改革に取り組んでいます。また、新学部開設予定の令和5(2023)年度に向けて、全学的なデータサイエンス教育を含む、新たな教育課程の整備に取り組みます。

Topics 03

ジェンダー研究と教育の拠点の設置

社会の変革を担う女性人材の養成を視野に入れた研究の遂行と教育方法の開発・実施を目的としたセンターを開設することを構想しています。あわせてアジアの大学と連携してアジアの女性の地位向上の支援のための拠点となることを目 指します。

Topics 04

女性の活躍を支えるリカレント教育の充実

関西における女性対象のリカレント教育課程のパイオニアとして、多様な立場にある女性のキャリアアップ・社会復帰を支えるリカレント教育課程の充実に、産官と連携して取り組みます。

Topics 05

SDGsへの貢献

ジェンダー分野での貢献はもちろんのこと、建学の精神のもと、多様性を尊重し、教育・研究・事業推進のあらゆる分野で、持続可能な社会の実現に貢献していきます。

Topics 06

東山キャンパス整備計画の推進

本学は、第1次グランドビジョンにおいて7棟の新築、2棟の増築、3棟の耐震化工事を実現し、令和2(2020)年度においても1棟の耐震化工事及び新E校舎の新築工事に取り組んできました。 さらに第三次となる東山キャンパス整備計画を策定し、大学A・Q校舎の建替え、高等学校・中学校校舎の全面建替え、小学校校舎の増築を予定しており、これまでに要した事業費を含んで総事業費は400億円に及ぶ大事業を推進しています。

京都女子学園の基本理念

第1次グランドビジョンは、大学のみを対象とする目標でしたが、新たな10年のグランドビジョン策定にあたり、学園全体を包含する基本理念を次のように定めました。

1.心の学園の実現(建学の精神の発揚)

親鸞聖人が顕らかにされた仏教精神にもとづいて、高い知性と豊かな情操を培い、時代や社会が大きく変化する中にあっても、自らのいのちを深く見つめ、人生をしなやかに強く生き抜く力を涵養する、心の学園を実現する。

2.社会の発展に貢献できる女性の育成

学園創設に尽力した三女性(甲斐和里子、大谷籌子、九條武子)の女子教育に対する理念と情熱を継承し、一人ひとりが人生のあらゆるステージで、自らの資質・能力を発揮して真に豊かな社会の実現に貢献できる女性を育成する。

3.一貫教育の実現

京都東山に、幼稚園から大学まで全ての設置学校が集結する特色を活かし、幼児教育から初等・中等教育、高等教育さらには社会人の学び直しに至るまで、生涯を通じて切れ目なく、学修者本位の質の高い教育を実践する。

4.持続可能な社会の創造への貢献

地球規模で生じている課題を自らの問題として捉え、多様性を尊重し、身近な課題から進んで解決に取り組み、学園の叡智を結集して、教育・研究を通じ、持続可能な世界の創造に貢献する。

京都女子学園 各学校の改革

学園の基本理念のもと、京都女子学園の設置する全ての学校が、京都東山の地において発展し続けることができるように、キャンパス整備をはじめとする改革に取り組んでいきます。

ONEキャンパスの実現

幼稚園から大学院まで、全ての設置学校が京都・東山に集結することを特色として、新たな教育連携や進学連携の在り方を検討し、早期の実現を目指します。

高・中キャンパス整備

京都女子高校・京都女子中学校の校舎・体育館の全面建替え工事を令和4(2022)年から令和9(2027)年までの間で実施します。

小学校キャンパス整備

京都女子大学附属小学校の校舎増築工事、体育館・プールの全面改修工事を令和4(2022)年から令和7(2025)年までの間で実施します。

教育改革・ICT教育

高等学校・中学校においては、類型・コースの改革、ICTを活用した教育・生徒指導の充実に取り組みます。
小学校においては、少人数教育を実現し、ICTを活用した教育・児童支援に取り組みます。