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ジェンダー教育研究所

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「男性ばかりの宗教界の中で、女性の悩みを聞き、救ってくれるのは誰か」竹安学長が全国の坊守や寺族を激励。

   竹安栄子学長[ジェンダー教育研究所兼担研究員]228日、「全国坊守・寺族女性連絡会」が開催した第24回目の公開講座に講師として登壇し、「ジェンダー平等に果たす女子大学の役割~京都女子大学の挑戦」というタイトルで講演を行いました。講演には坊守・寺族を中心に会場に33名、オンラインで15名が参加しました。(共催:龍谷大学世界仏教文化研究センター応用研究部門(RCWBC)ジェンダーと宗教研究センター。竹安学長は当センター客員研究員)
   竹安学長は、女子高等教育の歴史的変遷をテーマに、女子教育の中心は長く文学系学部と家政系学部にあり、伝統的な性別役割分担の枠組みに留まってきたことが現在の女子大学の低迷につながった面もあると述べました。
   次に、竹安学長は、京都女子学園の歩みを論点に、ジェンダー格差解消を目指し、「積極的格差是正措置(アファーマティブ・アクション)」を大学のミッションとして実現していきたいと論じました。また、京都女子大学では、ジェンダー平等を目指す多くの取り組みが、経営陣らの強い支持を得た上で進められていると示しました。それらの取り組みは大学の魅力につながり、惹かれて入学してくる学生も増え、学生主体のジェンダー平等をテーマにしたイベントの開催などが次々と実現していると紹介されました。また、教員の男女比率でも、女性は全教員の4割を超え、学科単位ではいずれかの性が7割を超えないようガイドラインを制定したことも紹介し、一連の取り組みは女性職員をも勇気づけているという現状も語られました。
   さらに、竹安学長は、坊守・寺族が仏教界に果たす役割の重要性についても論じました。仏教には基本的に男女平等思想があり、浄土真宗は「誰ひとり取り残さない」という教えに基づくと述べた上で、「男性ばかりの宗教界において、女性の悩みを聞き、救ってくれるのは誰か」と問題提起も行いました。「仏教界で、女性がこれからも従属的な役割を担い続けていては、人々の心を掴んでいくことが出来るのか。現状を是としてこのままいくのか」と参加した坊守・寺族を激励しました。
   参加者らは「きょうのお話に背中を押されました。とてもありがたい」「私たちの組織についてもネーミングなど多くの提案をいただいた」「これから私たちはどうすればいいのかを社会的な意義も含めて考え、今後の活動で実践に移したい」「組織も変革していきたい」と次々に今後への意気込みを語りました。
浄土真宗本願寺派寺院活動に携わる坊守や寺族の女性の皆さんの会

 

  • 2月28日、龍谷大学大宮学舎(京都・下京区)