

現代社会学科
【現代社会学部】『Okagesama de 〜ハワイ日系女性の軌跡〜』上映会 〜京女とハワイ西本願寺別院との関係〜 を開催しました
現代社会学部 嘉本伊都子
図書館交流の床で、朝から大雨の2025年5月17日(土)13時30分より16時30分映画上映会を開催しました。ところが、来てくれた学生は比較家族史受講生4人のみの開催となりました。鎌倉からお越しいただいた特定非営利活動法人NAC-J松元裕之様には申し訳ないことでした。次からは平日に上映会をしたいと思います。
嘉本から比較家族史とこの上映をすることになったことをお話しました。国際結婚論の観点からすると19世紀はアメリカのおおくの州で異人種間婚姻禁止法が制定されていましたので、有色人種と白人の結婚は正当なものとは見なされていませんでした。そこでアメリカに出稼ぎに行った日本人男性が「ところもの」(郷里の人)に写真を1枚送って「お嫁さん」を探してもらいました。婿さんは不在のまま、当時は家と家との「縁組み」で祝言をあげ、日本人女性は写真を握ってハワイへ渡ったのです。実際ハワイへ行ってみたら年上で写真(若い頃のものを送っている)と全く違うこともあり、国際ロマンス詐欺明治・大正編がハワイの移民局で起こったことも映画の中には証言されていました。
つづいて松元様がなぜこの『Okagesama de 〜ハワイ日系女性の軌跡〜』を撮影することになったのかについてお話されました。会場では、2作品のDVDも販売されました。嘉本も早速買い求めました。写真花嫁のドキュメンタリーは本当に少なく、貴重な映画です。「こんな地味な映画がハワイ国際映画祭で高い評価を得た」とおっしゃっていましたが、二世はあまり多くを語りませんでしたので、貴重な映画です。
特にこの映画でも証言されているバーバラ・カワカミ先生のご著書Picture Bride Storiesは、北は福島から沖縄からの花嫁まで、写真が多数掲載されている貴重な本です。残念ながら英語でしか読めません。嘉本も研究ノート3部作(「海を渡る花嫁への一考察(1)〜(3) : バーバラ・川上によるピクチャー・ブライド・ストーリーズを通して」京都女子大学現代社会部紀『現代社会研究』を京都女子大学図書館のリポジトリにあげています。
写真花嫁の写真と丁寧に聞き取られた証言がバーバラ先生によって聞き取られています。50歳からハイスクールに入り直し、ハワイ大学で学位を取得されたバーバラ先生に一度はお会いしたかったのですが、松元さんから今年2月10日、103歳で逝去さたとのお話がありました。ご冥福をお祈りします。映画の中でお目にかかることができました。
先に映画化されたのは『GO FOR BROKE!』です。どちらも日系2世にフォーカスされた貴重なインタビューをもとに、『Okagesama de 〜ハワイ日系女性の軌跡〜』と『GO FOR BROKE!』はHer storyとHis storyではありますが、戦った息子たちと送り出した母たちの映画でもあります。高齢者の英語まじりのインタビューは若い学生さんには聞き取りにくかったかもしれませんが、熱心にメモをとってみてくれました。それぞれみた感想を伝えてくれました。
なぜ西本願寺がハワイにあるのか?この解説は映画のあと、京都女子大学付属小学校の坂口満宏校長先生から、本学の創設者の3人の女性の一人、広島出身の甲斐和里子と関係があることを教えていただきました!彼女は広島県福山市出身です。広島はハワイに移民を多く輩出した土地でもあります。彼女の父足利義山は浄土真宗の高名な学者だったそうです。和里子さんの姪も1903年に文中女学校卒業後ハワイへ移住、現地で仏教婦人会の中心的存在として活躍したそうです。和里子さんの弟足利瑞義もなんと62歳でハワイへ6年間開教総長として仏教の布教に尽力しました。ハワイの本願寺別院と京女の関係が意外にも近いことがわかりました。この映画は仏教のクラスで上映した方がよかったとも思いましたが、112分あるので90分の授業には収まりません。そこで土曜日にしたのですが。もっと多くの方に見てもらいたかったです。一般公開できたらよかったのですが。
松元さんのご友人で、なんとダニエル・イノウエ元米国上院議員(ハワイの国際空港の名前の人です!)氏のご親戚と京都大学名誉教授の貴志俊彦先生にもご来場になり、とても勉強になるコメントの数々を頂きました。皆さん、ありがとうございました。
図書館交流の床で、朝から大雨の2025年5月17日(土)13時30分より16時30分映画上映会を開催しました。ところが、来てくれた学生は比較家族史受講生4人のみの開催となりました。鎌倉からお越しいただいた特定非営利活動法人NAC-J松元裕之様には申し訳ないことでした。次からは平日に上映会をしたいと思います。
嘉本から比較家族史とこの上映をすることになったことをお話しました。国際結婚論の観点からすると19世紀はアメリカのおおくの州で異人種間婚姻禁止法が制定されていましたので、有色人種と白人の結婚は正当なものとは見なされていませんでした。そこでアメリカに出稼ぎに行った日本人男性が「ところもの」(郷里の人)に写真を1枚送って「お嫁さん」を探してもらいました。婿さんは不在のまま、当時は家と家との「縁組み」で祝言をあげ、日本人女性は写真を握ってハワイへ渡ったのです。実際ハワイへ行ってみたら年上で写真(若い頃のものを送っている)と全く違うこともあり、国際ロマンス詐欺明治・大正編がハワイの移民局で起こったことも映画の中には証言されていました。
つづいて松元様がなぜこの『Okagesama de 〜ハワイ日系女性の軌跡〜』を撮影することになったのかについてお話されました。会場では、2作品のDVDも販売されました。嘉本も早速買い求めました。写真花嫁のドキュメンタリーは本当に少なく、貴重な映画です。「こんな地味な映画がハワイ国際映画祭で高い評価を得た」とおっしゃっていましたが、二世はあまり多くを語りませんでしたので、貴重な映画です。
特にこの映画でも証言されているバーバラ・カワカミ先生のご著書Picture Bride Storiesは、北は福島から沖縄からの花嫁まで、写真が多数掲載されている貴重な本です。残念ながら英語でしか読めません。嘉本も研究ノート3部作(「海を渡る花嫁への一考察(1)〜(3) : バーバラ・川上によるピクチャー・ブライド・ストーリーズを通して」京都女子大学現代社会部紀『現代社会研究』を京都女子大学図書館のリポジトリにあげています。
写真花嫁の写真と丁寧に聞き取られた証言がバーバラ先生によって聞き取られています。50歳からハイスクールに入り直し、ハワイ大学で学位を取得されたバーバラ先生に一度はお会いしたかったのですが、松元さんから今年2月10日、103歳で逝去さたとのお話がありました。ご冥福をお祈りします。映画の中でお目にかかることができました。
先に映画化されたのは『GO FOR BROKE!』です。どちらも日系2世にフォーカスされた貴重なインタビューをもとに、『Okagesama de 〜ハワイ日系女性の軌跡〜』と『GO FOR BROKE!』はHer storyとHis storyではありますが、戦った息子たちと送り出した母たちの映画でもあります。高齢者の英語まじりのインタビューは若い学生さんには聞き取りにくかったかもしれませんが、熱心にメモをとってみてくれました。それぞれみた感想を伝えてくれました。
なぜ西本願寺がハワイにあるのか?この解説は映画のあと、京都女子大学付属小学校の坂口満宏校長先生から、本学の創設者の3人の女性の一人、広島出身の甲斐和里子と関係があることを教えていただきました!彼女は広島県福山市出身です。広島はハワイに移民を多く輩出した土地でもあります。彼女の父足利義山は浄土真宗の高名な学者だったそうです。和里子さんの姪も1903年に文中女学校卒業後ハワイへ移住、現地で仏教婦人会の中心的存在として活躍したそうです。和里子さんの弟足利瑞義もなんと62歳でハワイへ6年間開教総長として仏教の布教に尽力しました。ハワイの本願寺別院と京女の関係が意外にも近いことがわかりました。この映画は仏教のクラスで上映した方がよかったとも思いましたが、112分あるので90分の授業には収まりません。そこで土曜日にしたのですが。もっと多くの方に見てもらいたかったです。一般公開できたらよかったのですが。
松元さんのご友人で、なんとダニエル・イノウエ元米国上院議員(ハワイの国際空港の名前の人です!)氏のご親戚と京都大学名誉教授の貴志俊彦先生にもご来場になり、とても勉強になるコメントの数々を頂きました。皆さん、ありがとうございました。
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バーバラ・カワカミの本(ハワイ大学出版会より 2016年) -
松元さんの映画撮影の経緯説明