

現代社会学科
【現代社会学部】イスラーム映画祭のトーク・セッションに登壇します
東京、名古屋での開催を終えて、「イスラーム映画祭」が関西にやってきます。5月3日から9日まで、神戸の元町映画館での開催です。今年で10回目になる「イスラーム映画祭」では、イスラエル占領下のパレスチナを描いた映画をはじめ、アフリカ、中東、南アジアを舞台にした映画、そして、ヨーロッパの移民、さらには、ボスニア紛争の傷跡を描いた映画(スレブレニツァの虐殺から30年経ちました)まで、日本初公開の7本を含む、12作品が上映されます。
イスラーム映画祭のパンフレットはこちらよりご覧ください。
5月5日には、私の授業で紹介している『母たちの村』が上映されます。映画の後のトーク・セッションでは、主宰者の藤本孝之さんとの対談という形で戸田が登壇します。『母たちの村』と聞くと、アフリカの村ののどかな風景が思い浮かぶかもしれませんが、アフリカ映画の父と呼ばれ、世界で高い評価を受けたセンベーヌ・ウスマン監督が、その晩年に、女性器切除(FGM, FGM/C)の廃絶を願って作り上げた作品です。舞台は西アフリカのとある村で、原色の美しい映像を楽しめます。フランスの植民地であったことの遺産、国連平和維持部隊の裏話、児童婚など様々なテーマが織り込まれていますが、センベーヌ監督が訴えたかったことは、国際機関や欧米のNGO、現地政府からの圧力ではなく、現地の人びとが自ら情報を得て、考え、彼らが判断し、彼らの力でFGMを廃絶することの重要性だと思います。
この村で昔から行われている「お浄め」(=FGM)は、男性支配(男性→女性)、長老支配(父→息子、兄→弟)という権力構造を支える一つの柱です。日本にはこのような慣習はありませんが、同じような構造を持っています。私と同世代であれば、子どもの頃に見聞きしたことと重なる場面も多いと思います。私たちがこの映画から何を学べるのかをお伝えしたいと考えてスライドを作成中です。お時間があれば、ぜひお越しください。
現代社会学部 戸田 真紀子
現代社会学部 戸田 真紀子
イスラーム映画祭のパンフレットはこちらよりご覧ください。