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心理共生学科

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心理共生入門(心理共生学科1年生)の授業で中日新聞編集局社会部の北島様・四方様、学校法人滝学園滝中学校滝高等学校の養護教諭の加藤先生のご講演をお聞きしました。

12月14日(土)心理共生入門(心理共生学科1年生)の授業に中日新聞編集局社会部の北島忠輔様・四方さつき様、学校法人滝学園滝中学校滝高等学校の養護教諭の加藤晃子先生にゲストスピーカーとしてお越しいただき、ご講演をお聞きしました。
 
心理共生入門は心理共生学科の特色ある授業の1つで、「ウェルビーイングについて考える」ことを通して、心理学領域、社会福祉学領域、養護保健学領域における専門職としての職責について理解することを目指しています。また、企業や地域でウェルビーイングを向上することの必要性やその学びの活かし方についても理解できるようにしています。領域の特異性や領域間の重なり、領域間の連携の在り方について理解し、学年が進行した際、自分が選択した専門領域の学びに視野を広げる必要性やその方向性をイメージできるように、また、対人援助職として必須の多職種連携について実践を通してご講演いただくことでキャリア形成の土台を築くことを目標にしています。
 
中日新聞編集局社会部の北島様・四方様からは、2023(令和5)年の通年連載「ロストチャイルド」の取材から見えてきた子どもたちの実態や課題について、養護教諭をはじめとした支援者に焦点をあて、ご講演いただきました。教室では見せない本音や弱音を養護教諭には打ち明け、助けを求める子どもたちの姿。そして、その声にじっくりと声を傾け、課題を把握し、ケアをしながら時に励まし、解決を模索する養護教諭の力であり、養護教諭は、学校で息苦しさを抱える子どもを支える確かな存在だ、無条件に味方になってくる人が身近にいることで少しでも心の支えになるとご説明いただきました。
 
養護教諭の加藤先生からは、「子どものウェルビーイングを考える」~養護教諭の立場から~と題し、現在、保健室で何が起こっているか、生徒の課題に養護教諭がどう対応しているかについて事例を通してご説明いただき、その課題に対して、「チームとしての学校」として多職種連携をしながら、どう生徒を支援しているかをご講演いただきました。「養護教諭って何なんだろう?」「養護教諭だからこそできることは?」について、①心と体の両面から対応する。②健康生活の様子も確認し、必要な保健教育をする。③総合的に考えて、必要な対応・個別支援へつなぐ。と養護教諭の職責についてていねいにご説明いただきました。
 
1年間、心理学領域、社会福祉学領域、養護保健学領域について、広く学び、2年生になって、そろそろ自分の目指す領域を考える時期にきている1年生にとって有意義な時間となりました。以下に参加した学生の感想を紹介します。
 
 
・様々な事例を取材している中で、養護教諭に対する気づきや子供たちの問題について講義をしてくださったのでとても良い学びになった。新聞で取り上げられている養護教諭は、さまざまな問題を抱える子供に対してしっかりと理解をしていて、その子に合わせた対処の仕方を知っているなと感じた。その生徒にとって養護教諭がしっかりと自分を受け止めてくれる存在であることが大きな安心につながると思った。学校に行くということが大きな自信につながる子供たちにとって、保健室の存在が学校に来る理由になるのも必要なことだと思った。
 
・若者世代の流行などを驚きながらも否定せず、心配し、理解しようとしている姿勢がとても素敵でした。養護教諭の仕事で印象的であった部分を客観的な視点から共有していただき、養護教諭の仕事で大事な要素を学ぶことができました。養護教諭という仕事は、すべての保健室来室者を完璧に救うことは難しく、卒業後が無事かどうかわからない生徒も見送らなければならない、という現実を学び身が引き締まる思いです。養護教諭は生徒に支援するだけでは足りず、心に寄り添い、寄り添った責任を持つことが大切であると思いました。
 
・養護教諭の立場として、生徒の心身の健康を支え、安心できる保健室という環境を作ることが大切だと理解しました。また生徒が抱える身体的、精神的な課題を知識的に理解するとともに、一人一人に寄り添った支援を提供することも重要だと学びました。養護教諭は保健室に来る生徒の来室目的のみでなく、その背景を引き出し、担任の先生やSCやSSWなどの専門職の方と支援チームを作り連携を行うことが必要だとか感じました。「養護」の教員として、学校のほかの先生にも指導ができるような立場になりたいと考えました。
 
・加藤先生のお話を聞き、養護とは「子どもの目線に立ち、その気持ちを受け止めること。話したくない時には無理に話させず、その沈黙を尊重しつつも突き放さずに寄り添うこと」だと学びました。この考え方は、私にとって非常に印象深く、学びの多いものでした。子どもの目線に立つだけで、相談者である子どもにとって大きな安心感を与えられるのではないかと思います。また、子どもが言葉に詰まったり、話したくても話せないような状況でも、それ自体を否定せずに受け止め、そっと寄り添うことが、養護教諭として重要な姿勢だと感じました。
 
・この心理共生入門では「多職種連携」について学んでいるけれど、こうして具体例をもとに話を聞くことで連携の大切さが想像できた。1人の力で人間を守ることは不可能だからこそ、自分が社会に出て働くときには、どんな職業であっても、連携を大切にしたい。貴重なお話を聞くことができて良かったです。