

現代社会学科
【現代社会学部】尾上幸さんにインタビュー
2024年2月17日
ソーラーシェアリングフェスティバル
第1回全国大会にて
同期の亀田さん(左)と尾上さん(右)
ソーラーシェアリングフェスティバル
第1回全国大会にて
同期の亀田さん(左)と尾上さん(右)
キャンパスの脱炭素化について研究している、4回生の尾上幸さんにインタビューをしてきました。尾上さんは諏訪先生のゼミに所属しています。また学外では、「自然エネルギー大学リーグ」という、大学での再生可能エネルギーを推進している団体で活動をしています。
Q:京都女子大学に入学した理由を教えてください。
A:もともと哲学や心理学に興味があり、どちらも学びたい、他の分野も学びたいという気持ちがありました。京都女子大学の現代社会学部は幅広く、自分の学びたいことを選択して、それらを同時に学べるので入学しました。
Q:大学ではどのようなことを学んでいますか?
A:1回生のころはアプローチ科目を選択して、興味のあった哲学や心理学を学んでいました。そのアプローチ科目には環境学もあり、それを受講したことがきっかけで、環境学にも興味を持ち始めました。また、必修科目である現社入門の授業でも環境問題に触れていて、面白いと感じました。
Q:では、諏訪ゼミを選択したのも環境学に興味を持ったからですか?
A:はい。ゼミを選択してからこの先生のゼミで研究したいと思うようになりました。
Q:心理学や哲学よりも環境学に興味を持ったきっかけは何ですか?
A:大学生になって携帯電話を持ちはじめたことがきっかけです。携帯電話で普段のニュースでは見ない、世界で起きている出来事などを目にしました。その中に環境問題もありました。最初はアフリカの社会問題に興味があったのですが、その原因の1つに気候変動があるということを知り、その解決をしたいと思うようになりました。
Q:諏訪先生のゼミではどのような研究をしていますか?
A:今の卒業論文で進めているのは、再生可能エネルギーの利用を広げるためにはどのようなコミュニケーションが必要かという研究です。これまでのゼミ活動ではSDGsの取り組みはどれほどされているのか、京都女子学園の中学校、小学校で再生可能エネルギーの教育はされているのかを聞きに行ったこともありました。
Q:なぜそのような研究をしようと思ったのですか?
A:まず、再生可能エネルギーに注目した理由は、気候変動問題の解決策として最も効果的だと思ったからです。また、気候変動問題に関心がある方と話をした際に、再生可能エネルギーの利用をしていない人が多いということに気が付いて、危機感はあるけれど実行に移さない人達に引っかかっている部分は何だろうと思い、研究を始めました。
Q:自然エネルギー大学リーグについての質問です。自然エネルギー大学リーグとはどのような組織ですか?
A:自然エネルギー大学リーグとは、大学の使用電力を再生可能エネルギーで賄いたいと思っている大学や、その活動を促進して、大学の脱炭素化を目指す、大学・学生・企業などのネットワークです。私は学生会員として所属していて、他大学の環境系サークルや団体など、大学の組織として活動している会員の人たちもいます。様々なことに関心を持っている人との交流は楽しいです。
Q:自然エネルギー大学リーグを知ったきっかけは何ですか?
A:私が大学を再生可能エネルギー化したいと思っていた時に、「Fridays For Future」 という学生団体に参加し、その時に自然エネルギー大学リーグのことを教えていただいたのがきっかけです。
Q:千葉商科大学に行かれた際、どのような学びを得ることができましたか?
A:千葉商科大学は100%太陽光パネルで自家発電している大学です。去年の夏に自然エネルギー大学リーグのイベントで千葉商科大学に行きました。実際に行ってみたことで、大学全体で再生可能エネルギーに取り組んでいることがわかりました。それと同時に、千葉商科大学のような再生可能エネルギー化の成功モデルがあることは、とても大切なことだと思いました。さらに、全国の自然エネルギー大学リーグの学生会員に直接会って、同じ思いを持っている同年代の人に会えたことで、自身のモチベーションが上がりました。
Q:大学の脱炭素化で実現できていない点、課題点は何ですか?
A:大学の方針にあると思います。実際に学長先生とお話をする機会があったのですが、その時に、大学の方向性を決めている学園や理事長が、環境に対してどのようにアプローチしようと考えているかがポイントだと実感しました。また、太陽光パネルの設置にかかる費用が莫大であるなど、金銭面にも問題があると感じています。
Q:尾上さん自身の活動を今後どのように生かしていきたいですか?
A:まず、この活動は続けていきたいと思っています。まだ大学が再生可能エネルギー化できているわけではないし、省エネの活動などまだまだやりたいことがあるので続けていきたいです。やりたいと思ったことを声に出して、それを行動に移して活動する、その行動力をこれからも大切にしたいです。
Q:尾上さんは環境問題に対してどのように思っていますか?
A:1番は不安が大きいです。将来やりたいことはいっぱいあるけれど、果たしてそれはできるのか、そもそも生きられる未来があるのかという点で不安を感じています。しかし、そのように思いながら生きていくのはもったいない、せっかくなら楽しく生きたいとも思っています。不安はあるけれど、せっかくの人生は楽しもうというマインドでいます。
Q:将来についての質問です。尾上さんは、現在の活動を今後どのように活かしたいと思っていますか?
A:これまでの学びを活かし、環境問題の解決につながるような仕事をしたいと思っています。太陽光発電と農業を掛け合わせたソーラーシェアリング事業に携わっている会社に就職することに決めました。
Q:どのような流れで就職活動を始めましたか?
A:3年の秋、冬に説明会に行き始めたのですが、話を聞いていく中で、自分は自分なりの就活をしたいと思うようになりました。マイナビなどの就活サイトでは見られない仕事も世の中にはたくさんあります。そこで、自分で足を運んで体験してみようと決心し、4年の5~7月頃に農家さんにお邪魔して、いろいろな体験をしました。それを踏まえた上で、もう1度就活してみよう、選考受けてみようと思い、就活を再開しました。農業を選んだのは、自分の環境問題に対する意識から、自然に近いことを体験したいと思うようになったからです。
Q:農家さんに行く前と変わったことはありましたか?
A:農家に行く前は、働くことのイメージがついていませんでした。しかし、実際に体験して、そこで働いている人の姿を見たり活躍されている方とお話をしたりしたことで、働くことが素敵なことだと思うようになりました。また、何者かの私でありたいとも思うようになりました。さらに、社会に出ることはとても大事だよというアドバイスをいただいたことで、就活をもう1度やってみようと決心しました。
Q:最後に、学生に向けてメッセージをお願いします。
A:大学の4年間はすぐに過ぎてしまうので、今の時間を大切にしてほしいです。就職活動など未来の不安もあると思いますが、今を楽しむことが大切だと思います。また、自分の思ったことをちゃんと声に出して行動してみることも大切です。学生のうちは失敗してもまだ許される期間だと思うので、様々なことに挑戦してみることが大切だと思います。
尾上さん、ありがとうございました!
取材日:2023年11月17日
インタビュアー:現代社会学部学生支援団体C.S.LINK 山本樹