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現代社会学科

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【現代社会学部】2025年猛暑を越えて考える、持続可能な社会への道筋(環境政策〈諏訪〉ゼミ)

 2025年の記録的猛暑を経験した今、気候危機はもはや「遠いどこかの問題」ではありません。次のCOP開催を目前に控えるこの時期、国際交渉の最前線はどう動いているのか——。その疑問を胸に、10月29日(水)に京都女子大学で行われた講演会「2025年夏は暑かった・・・世界は地球温暖化にどう立ち向かっている?ブラジルCOP直前企画、地球温暖化国際交渉について知ろう!」に参加しました。

国際交渉の複雑さと市民社会の力
 講師は、気候ネットワークの田中十紀恵さん。環境NGOでの政策提言やネパールでの地域づくりプロジェクトに携わってきた経験を持ち、国際交渉の現場と地域コミュニティの双方を熟知している方です。
 講演では、気候変動に関する国際交渉が実際にどのようなプロセスで進められているのかについて、現場の流れに沿った詳しいレクチャーが行われました。各国代表がテーマごとに分かれた会合で文言修正を繰り返し、深夜まで議論が続くこと、合意形成には政治状況や経済利害が大きく影響することなど、教科書では見えにくい交渉の複雑さが明らかにされました。
 また、政府だけでなく市民社会が交渉に与える影響についても具体的に紹介されました。近年、若者による気候訴訟が世界的に注目を集めていることを背景に、国際司法裁判所(ICJ)が気候変動に関する勧告的意見の策定に積極的な姿勢を示している点は特に印象的でした。こうした市民の声や司法判断が、国際交渉の方向性や各国の政策形成に波及効果を持つことが強調され、国際政治と市民の行動が相互に作用している実態を実感しました。
 田中さんのお話で印象的だったのは、気候変動交渉は政府間だけでなく、市民社会が大きな影響を与えているという点でした。NGOの提言や若者の声が交渉の流れを変えることもあるとのことで、「私たちの行動は小さくても決して無力ではない」と実感しました。

参加して感じたこと
 今回の講演に参加して特に強く感じたのは、気候変動枠組み条約締結国会議(COP)で議論されている内容が、自分たちの卒業論文のテーマと確かに結びついているという点でした。これまで文献を通して理解していた国際交渉の仕組みや市民社会の役割が、田中さんの具体的な経験談によって、より現実的で動きのあるものとして捉えられました。国際的な議論は遠い世界の話ではなく、研究テーマとして取り組む私たちにも関わるものだと実感し、卒業論文の意義と方向性を改めて見つめ直す機会となりました。
                                            (講演会参加者)