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【現代社会学部】2025年10月4日、兵庫県宝塚市西谷地区のソーラーシェアリングを見学しました(環境政策〈諏訪〉ゼミ)

 2025年10月4日、兵庫県宝塚市西谷地区のソーラーシェアリングを見学しました。

 ソーラーシェアリングとは、農地に支柱を立て、その上部にソーラーパネルを設置して、太陽光を「発電」と「農業」で共有する仕組みです。西谷地区では2015年から導入が始まり、現在は8基の営農型発電システムが稼働しています。一般的には、細長いパネルを斜めに配置する例が多いと聞きましたが、西谷では通常の太陽光発電用パネルを水平に設置する工夫が見られました。これにより雨風をしのぎやすく、パネル下に生じる日陰が作物の高温障害を抑える効果も期待できるそうです。また、作業者の熱中症対策にもつながる点が印象的でした。一方で、簡易な構造で撤去可能な設備であることが求められること、設置工事や部材費の負担が大きく初期費用が高額になりやすいことなど、課題も見えてきました。

 関係者の皆さんは、再生可能エネルギーをまちづくりの手段の一つとして位置づけており、「まちづくり」のあり方が地域ごとに多様であることにも気づかされました。また、ソーラーシェアリングの技術や運用だけでなく、新事業に取り組む上での心構えについてもお話しいただきました。学生に向けてメッセージもうかがいましたが、特に印象に残った言葉は「社会学部は発信力を持っている」です。どれほど優れた取り組みでも、社会に広く伝わるためには情報発信の力が不可欠であり、それは経済学・経営学・メディア研究やなど現代社会学部の学びによって培われます。私たち現代社会学部の学生は、社会に働きかける影響力を持ち得ること、そしてそのために「何のために、どう行動するのか」という軸を持つことの重要性を強く実感しました。

 今回の見学を通じて、地域エネルギーの新しい形を学ぶことができました。現場に足を運び、直接お話を伺うことで、資料だけでは見えにくいリアルな課題と工夫を肌で感じることができました。この経験を踏まえ、持続可能な地域のあり方について、今後さらに考えを深めていきたいです。ソーラーシェアリングの可能性を今後の研究にも活かしつつ、西谷地区のような地域に根ざした実践に今後も注目していきたいと思います。

                                             文責:河野葵子