

現代社会学科
【現代社会学部】江口ゼミ:卒業生インタビュー 映像業界のリアルを知る
江口ゼミでは、昨年度から、ゼミの卒業生たちにお願いして、卒業生の就労を含めた生活のインタビューをおこなっています。卒業生のさまざまな生活の様子を知ることで、学部生が今後の就活やライフプランを考える上での参考にさせていただこうと思っています。今回は東京でテレビ番組制作・編集会社に勤務している2019年度卒のAさんにお願いしました。ゼミ生それぞれに記事を書いてもらいましたが、分量が多いので1本だけ掲載します。
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映像業界のリアルを知る
テレビ映像企画編集会社で働く卒業生インタビュー
今回インタビューを受けてくださったのは、東京の映像企画会社に勤務するAさん。入社から6年、ニュース制作からスタートし、現在は番組制作に携わっている現代社会学部の2019年度卒業生です。業界の現実や働き方、学生時代の経験について、Zoom会議でじっくりお話を伺いました。
◆会社での働き方と仕事内容
・映像制作の仕事はどのような感じですか?
現在は10人ほどのチームで番組制作を担当。Aさんは持ち込まれた映像を編集し、つなぎ合わせる「切り貼り作業」を基本的に1人で行っているそうです。「作業自体は楽しい!」と語る一方、そのハードさも感じているとのことでした。
・残業時間はどのくらいですか?
「正直、朝帰りの日もあります……!」。1〜2週間のうち、朝9時から12時間勤務が続くこともあり、体力勝負な一面もあるそうです。先輩には3週間連続で12時間勤務という例もあり、下請け企業ならではの大変さが見える職場だといいます。退職率も高く、「ややブラックな一面がある」と率直に語ってくれました。
・給与とその使い道は?
東京でギリギリ生活できる程度の手取りだそうです。「やりがい搾取のように感じることもある」と正直に話しつつ、趣味のランニングでリフレッシュしながら、ほとんどの時間を編集室で過ごしているとのこと。「東京では手取りと生活費のバランスが本当に大事!」とアドバイスをくれました。
・制作から放送まではどれくらいかかりますか?
1本の番組をつくるには、映像素材の収集に約半年、編集作業(切り貼り)に約1か月、テロップ・サウンド入れに約1か月が必要とのこと。ディレクターは1年に1〜2本のペースで番組を制作するそうです。
◆東京で働くということ
・東京暮らしはどうですか?
現在は港区に居住、会社は渋谷区にあります。東京の魅力は「いろんな人に出会えること」。大学時代よりも楽しく、飲み会の機会も多いとのことです。ただし、「男性との距離感など、注意が必要だと感じることもある」と都会ならではの注意点も語ってくれました。
◆業界のこれからと仕事への思い
・仕事で困っていることはありますか?
「テレビ業界自体、将来が不安です」。業界全体が変化の中にある今、年齢を重ねても続けられるか不安に感じることもあり、転職を考えたこともあるそうです。
・入社前後でのギャップはありましたか?
「希望していない仕事(権利処理や事務作業)も多い!」。番組制作を希望していたものの、実際には裏方の事務的な業務にも多く関わることになったとのことでした。
◆学生時代にやってよかったこと
短期留学で言語を学び、異文化に触れた経験は評価されたそうです。また、数日かけて行うインターンにも多数参加。泊まり込みのインターンでは大人との出会いが多く、連絡先を交換するなど人脈づくりにもつながったといいます。「図々しさと大胆さが大事!」と強調していました。
◆メンタルとの向き合い方
・仕事で失敗したときの立ち直り方は?
映像を間違えて貼ってしまったことがありましたが、「確認段階だったので大事にはならなかった」とのこと。「愛嬌を武器に、ポジティブすぎるくらいで仕事に向き合う!」と話し、落ち込んでも引きずりすぎないことが続けるコツだと教えてくれました。
・楽しく生きるためのコツは?
「笑ってばかりに見えるけど、実は泣くこともたくさんあります」。だからこそ「楽しいと思えることだけをやる」ことが大切。無理なことを断る勇気も、健やかに生きる上で必要だと感じているそうです。