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現代社会学科

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【現代社会学部】社会調査実習Ⅱ(佐藤クラス)で上賀茂手づくり市に行ってきました

 現代社会学部3回生「社会調査実習Ⅱ」佐藤クラスは、9月28日(日)に上賀茂手づくり市でフィールドワークを行いました。各学生が先行研究を読み、調査項目を決めて、調査に臨みました。授業で確認した調査マナーを守りながら、各学生が観察・質問しました。売り手、買い手、その両方、もしくは販売品、価格など、各々が異なる着眼点で参与観察を行いました。
 6月7日(土)には、ものづくりCrossroadが主催する森の手作り市(下鴨神社、約190店/日)に、今回は株式会社クラフトが主催する上賀茂手づくり市(約270店/日)を訪問しました。京都府では、31の手づくり市が定期的に開催されていますが、ものづくりCrossroadはうち8つ、株式会社クラフトはうち5つの手づくり市を主催しており、二大巨頭と言えます。
 先行研究においては、手づくり市の売り手にとって手仕事とは、①労働、②自己実現、③趣味、④コミュニケーションの契機であることが指摘されてきました。様々な動機をもった売り手が手づくり市に参加していることがわかります。調査を通して、実店舗やオンラインショップを持っている方、SNSでオーダーを受けている方、手づくり市だけで販売している方など、売り手の主たる販売形態も多様であることがわかりました。販売品目として、衣料、布小物、人形、アクセサリー、青果や加工品(パン、菓子、飲料、惣菜等)をはじめとした食品、陶器、ガラス、木工、皮革製品、雑貨、観葉植物、化粧品、アート、リラクゼーションがありました。売り手にとっての手作り市の位置づけは、売上額の増加、新顧客の獲得、顧客ニーズの把握だけでなく、力試し、生きがい、会話を楽しむ場でもあるようです。
 では、買い手にとって手作り市の位置づけとは、どのようなものでしょうか。目的の品を早朝から買いにいく方もいれば、目的もなくブラブラと歩き買い物をしている方もいました。また、細かいニーズを伝え、オーダーメイドを依頼している方もいました。
 手作りの品について、売り手の側から製作工程や手入れの仕方、思い入れ、こだわりを直接、ゆっくりと聞くことにより、購入を通して出会いや会話を楽しむ場でもあるようです。
 加えて、手作り市は地域にとってどのような意味があるのでしょうか。地域住民にとっての娯楽や交流の場であり、観光客を集めるイベントであり、ものづくりに関心のある人々をサポートする場にもなっています。
 手作り市は、経済学的交換の場ではあるものの、すべての売り手・買い手・主催者にとって利得の追求が必ずしも最大の目的ではないという点、また社会関係が生まれるという点が大きな特徴と言えます。学生たちは、4回の合同調査と各自の聞き取り調査を合わせて、後期には報告書を完成させる予定です。