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【現代社会学部】環境政策ゼミ(諏訪ゼミ):ソーラーシェアリングフェスティバルに参加してきました

 フェスティバルへの参加 
 
 2025年7月5日・6日、専修大学にて開催された「ソーラーシェアリングフェスティバル」に参加しました。 二日間にわたり、2つのセミナー会場で計46件の講演が行われる大規模な催しであり、全国各地から事業者や大学生など多くの方が参加していました。講演では、産官学それぞれの立場からソーラーシェアリングの魅力と課題について学ぶことができました。 
 
 ソーラーシェアリングとは、農業と再生可能エネルギーの両方の自給率を高めるとともに、地域社会との共生を推進することを目的とした事業です。畑や水田にソーラーパネルを設置することで、農作物の生産と発電を同時に行うことが可能になります。 
 
 
学生の取り組みと地域とのつながり 
 
 私たちは、国内のソーラーシェアリング事業者による講演を中心に拝聴しました。   
 
 どの講演もキリっとした雰囲気の中で行われましたが、登壇者の方々は非常に生き生きと語っており、ペロブスカイト太陽電池をはじめとする新技術への期待が強く感じられました。 
 
 キャンパスセッションでは、他大学の学生によるソーラーシェアリングの実践報告も行われました。和やかな雰囲気の中で進められたセッションでは、学生がいち早くこの分野に注目し、実際に取り組んでいる様子に刺激を受けました。   
 
 また、大学生と地元の子どもたちが協力して作物の種を植える様子から、ソーラーシェアリングがすでに世代間をつなぎ、地域共生の一端を担っていることが伺えました。 
 
 講演とは別に、ソーラーシェアリングに関する展示会も開催されていました。展示会では、事業者同士が自由に交流し、和気あいあいとした雰囲気の中で情報交換が行われていました。   
 
 その中で私たちは、「みんな電力」や「株式会社TERRA」の方々と、シェアリング農園で生産されたドリンクを味わいながら、具体的な事業内容について教えていただきました。 
 
 
講演から見えた可能性と課題 
 
 講演を通じて、ソーラーシェアリングを始める前に長年赤字で農業を続けていた方が多く、日本の農業が深刻な危機に直面していることを実感しました。   
 
 その中で、農業と再生可能エネルギーを同時に推進できるソーラーシェアリングは、食料と電力の両方の自給率を高めることができ、さらに外国に頼らない次世代農業への転換を促すツールとして、大きな可能性を秘めていると感じました。 
 
 また、暑さ対策や売電収入によって農業者の年収が増加し、農業人口の減少を抑制する効果も期待されています。特に、「農地の18%をソーラーシェアリングに活用すれば、日本の電力消費の大部分をまかなうことができる可能性がある」という試算には強い印象を受けました。 
 
 一方、今後の展開にむけては農地転用の手続き、地域住民の理解、初期費用など、乗り越えるべき課題が多く、国や自治体による積極的な支援や制度整備が不可欠であることを学びました。 
 
 
今後への期待 
 
 今回のソーラーシェアリングフェスティバルへの参加を通じて、ソーラーシェアリングが農業とエネルギーの未来をつなぐ大きな可能性を持つことを実感しました。   
 
 今後の普及拡大に向けて、各地での取り組みや広がりに注目していきたいと思います。 

 
(文責:奥田優希)