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現代社会学科

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国会の答弁で「京都女子大学 嘉本伊都子教授」

 
現代社会入門の嘉本担当「国際結婚を通して現代社会の変化を考える」で紹介しましたデータが国会の参議院でとりあげられました!

2024年5月30日参議院 内閣委員会You Tubeがメルボルン大学准教授の大石奈々先生から送られてきました。なんと、「人生初のコロナ感染。しんどいですが、今日は少し楽になったのでベッドでYouTube を観ていたら、最近の国会答弁に自分の名前が出てきたのでびっくり!立憲民主党の塩村あやか議員が拙著『流出する日本人』を引用しながら少子化と人口減少について質問し、岸田総理が答えていました。国際結婚データの提供者である嘉本伊都子さんのお名前も登場します!」というメッセージつき。

00:28:05よりちょっと前から見て下さい。新入生の皆さんは2005年生まれですが、合計特殊出生率1.26という最低をその当時記録しました。就職氷河期世代=みなさんのご両親の世代と重なりますので、見てくださいね。

00:28:05くらいから大石奈々先生の著書と嘉本の名前がでてきます。

https://www.youtube.com/live/4BaRLR-wU6I


塩村あやか議員が資料を配りながら説明しています。若い人の労働力の流出=少子化にあたえる悪影響について岸田総理がどのように理解しているかを質問しています。

メルボルン大学アジア研究所の大石奈々准教授が著書『海外に流出する日本人』を取り上げ、日本人の海外移住による人口減少は無視できない数字になっていると指摘していると紹介し、そのあと

「日本人の海外における婚姻の約7割が日本人女性と外国人男性の組み合わせで、特にその数がバブル崩壊後増加していると、京都女子大学の嘉本伊都子教授は指摘し、この30年間で20万もの日本人女性が国際結婚で海を渡っていると、法律婚だけでこの数ですから、事実婚を含めるともっと多い」

これに対し岸田総理の見解は、日本人口全体を分母にとって答弁しているってピンとずれていますね。塩村議員のおっしゃるとおり楽観的にすぎます。

おそらく資料として掲載されたであろう、統計を大石先生の著書とともに紹介します。ぜひ読んでいただきたいオススメの新書『流出する日本人』です。


大石奈々 2024『流出する日本人—海外移住の光と影』中公新書


大石先生に頼まれて、データを送ったのが、昨年末でした。毎年、厚生労働省の統計局まで出向いて、コツコツコピーし、エクセルにいれるという地味な作業をして作成した図です。こうやって国会で活用してもらえて、嬉しいです。

まあ、岸田総理のメガネはピンともずれていますよね。日本の給料は、先進国の中であがっていない。この円安で、日本で働こうとするメリットは外国人の労働者にとってもなくなります。日本の若者をや、です。本気で日本を若者にとっても、外国人にとっても、女性にとっても、子どもにとっても、暮らしやすい国ニッポンを目指そうという志がまったく感じられないのが、本当に残念です。

そのデータが引用されたのは85頁。こちらです。


塩村議員のように、自分ごととして捉え、ありうべき社会に向けて問うていく女性を、行動していく女性を京都女子大から輩出したいと思いました。