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食物栄養学科

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卒業研究の成果が論文発表されました(食物栄養学科)~味の検知における唾液の役割~

 家政学部食物栄養学科2022年度卒業生の松田莉奈さんが実施した卒業研究の成果が論文発表されました(指導教員:食品学第3研究室 成川真隆准教授)。

タイトル:Effect of salivary gland removal on taste preference in mice

著 者:Masataka NARUKAWA*, Rina MATSUDA, Ippei WATARI, Takashi ONO, and Takumi MISAKA
雑誌名:Pflügers Archiv - European Journal of Physiology, 476, 111-121(2024)

唾液は食事を味わう際に様々な役割を担います。一方で、味の検知における唾液の役割については不明な点が多く残っています。私たちの研究グループでは唾液腺除去モデル動物を用いて、味の検知における唾液の役割について詳細な検討を行いました。その結果、唾液の分泌量が低下することで、苦味や甘味といった基本味に対する感受性が大幅に低下することが分かりました。次いで、その要因を検討したところ、唾液腺除去によって唾液タンパク質の組成と濃度が大幅に変化していることがわかりました。これらの結果は、正常な味の検知において唾液が必要であり、味の検知において唾液タンパク質が重要な役割を担う可能性を示唆しています。シェーグレン症候群や加齢のように唾液分泌能低下と味覚機能低下の関係が取り沙汰されています。本研究結果は、味の検知における唾液の役割を明らかにする上で有用な情報になると期待されます。本研究は東京大学、東京医科歯科大学との共同研究の成果です。現在、松田さんは管理栄養士として活躍されています。