Follow Us

性暴力撲滅プロジェクト

#性暴力撲滅プロジェクト

公開シンポジウムを実施しました!

 2025年1月15日水曜日、本学・学内にて、「私たちは痴漢・盗撮の軽視をなぜ許す?~社会を構成する一員として考える~」というテーマのもと、公開シンポジウムを行いました! 本シンポジウムでは、アジアでも最大規模と言われる依存症治療施設・榎本クリニックにて、精神保健福祉士をされている斉藤章佳様をお招きし、本プロジェクトでご協力いただいた京都市交通局様にもご参加いただきました。
 
 斉藤章佳様には「『加害者臨床』の現場から性暴力を考える」についてご講演していただきました。ご講演では、性暴力は支配や優越、強さの主張といった様々な欲求から行なわれ、性的欲求や衝動のみが要因となるわけではないといったお話や、自分が加害者と向き合う際には「目の前にいる加害者はもしかしたら未来の自分かもしれない」というように当事者意識を持つように心掛けているとお話しいただきました。また、加害者は「いやよいやよも好きのうち(no means yes)」、「女性が性犯罪に遭うのは落ち度があったからではないか」といった価値観を社会やメディアから学んでおり、こういった価値観が社会の中で変わらない限り、加害者は量産されていくという認知の歪みの本質についてお話していただきました。
 
 また、最後には講師×交通局×本学学生でパネルディスカッションを行いました。 パネルディスカッションでは、「講演で『加害者は第三者の介入があると行為をやめる割合が高い』とお話ししていましたが、この第三者はクリニック以外にありますか?」という質問に対して、斉藤様は「この第三者とはクリニックではなく、現場に居合わせた加害者・被害者以外の第三者のことです。第三者の介入を促すためには、第三者が介入することのメリットがあると知ってもらうことが重要です。介入のメリットは、被害者だけでなく加害者に対してもあります。」とお答えいただきました。続いて、「性暴力撲滅プロジェクトで作成したポスターの掲示で、実際に痴漢・盗撮の被害は減少しましたか?」という質問に対して、京都市交通局様は、「実際にどのくらいの方がポスターを目にしているのか数値化はできないです。また、実際の痴漢・盗撮件数が大きく減少しているわけではありませんが、継続的に痴漢・盗撮の撲滅に向けて取り組み続けることが大事だと考えています。」とお答えいただきました。他にも様々な質問があり、充実した議論になりました。
 
 参加した方からは、「加害者臨床の専門家の方のお話は非常に勉強になった」、「パネルディスカッションは、講師・交通局・学生という3つのアクターが対談する貴重な機会だった」などの感想がありました。 
 
 今回の公開シンポジウムは、学内にとどまらず、外部の方とも交流し、さまざまな立場から意見を交換する貴重な機会となりました。「『加害者臨床』の現場」からの専門的な視点でお話を伺うことで、痴漢・盗撮といった性暴力の問題を新たな視点から捉えることができました。この貴重な学びを今後の活動に活かしていきたいです。
 
 これからもこのプロジェクトを通じて、学生が主体となり痴漢・盗撮を軽視する社会を変えていきたいと考えています。