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京女データサイエンス・AI応用基礎プログラム

本プログラムは令和7年度に文部科学省へ認定申請中の数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)である。

プログラムの概要

本プログラムの目的は、データサイエンス学部(DS学部)学生を対象として、自らの専門分野に数理・データサイエンス・AIを応用し課題解決・価値創造するための感性、幅広い視野、基本能力をもち、社会で実践できる女性人材を育成することである。
文部科学省から既に選定されているリテラシーレベルプログラムの2科目及びDS学部1、2年生の必修8科目を必修科目とし、選択必修科目の要件も学部の卒業要件に準じているため、DS学部学生は本プログラムへのエントリーを必須とする。
企業・自治体等からの多彩なゲストスピーカーによる講義や現場見学・PBLを必須とし、知識・技能の修得のみでなくデータサイエンス・AIの実践力を身に付ける。

プログラムで身に付けられる能力

数理・データサイエンス・AIのリテラシーレベル教育の基盤の上に、自らの専門分野に数理・データサイエンス・AIを応用し課題を解決し価値創造するための幅広い視野と基礎能力を身に付ける。
特に、産業界及び自治体と連携して構築した実データや実課題を用いた実践的な教育プログラムを通じて、実社会での課題設定、解決方法の立案、データの要約・解析、結果の解釈、結論の公表という一連のサイクルを正しく実践するための基礎能力を身に付ける。

修了要件

プログラムを構成する以下の科目のうち、必修科目10科目20単位に加え、選択必修科目から6科目12単位(選択必修 A から3科目6単位及び選択必修 B から2科目4単位)以上、合計15科目30単位以上を取得すること。選択科目は修了要件には含まれないが、単位取得可能とする。

必修科目

「データ・AIリテラシー」、「情報リテラシー」、「数学への招待」、「確率・統計への招待」、「プログラミングへの招待」、「価値創造への招待」、「入門演習I」、「入門演習II」、「データサイエンス基礎演習I」、「データサイエンス基礎演習II」

選択必修科目

選択必修 A

「解析学I」、「解析学I 演習」、「線形代数学」、「線形代数学演習」、「統計学入門」、「多変量解析I」、「データサイエンス実践概論」

選択必修 B

「プログラミングI」、「プログラミングII」「データ処理演習」、「データ構造とアルゴリズム」、「AI・機械学習I」、「AI・機械学習I 演習」

選択科目

「回帰分析」、「実験計画法」、「社会データ分析」

プログラムの実施体制

プログラムの運営責任者 データサイエンス学部長
プログラムを改善・進化されるための体制 データサイエンス学部教授会
プログラムの自己点検・評価を行う体制 データサイエンス学部教授会

自己点検評価

学内からの視点

1. プログラムの履修・修得状況

当該プログラムの修了要件はデータサイエンス学部の卒業要件に準じているため、本学部学生は本プログラムへはエントリーを必須とする。当該プログラムの修了についても高い達成率が期待される。実際に令和6年度については、本プログラムを修了できる学年は1学年(2年生)のみであるが学部収容定員(380名)に占める修了生の割合は約25%であった。全学年が本プログラムの修了対象となる令和9年度には100%の修了率を目標とする。
 本プログラムを構成する各科目の履修・修得状況は、全学教務課から情報を入手しデータサイエンス学部教務委員が把握する。半期ごとにデータサイエンス学部教授会において、本プログラムの履修・修得率をモニタリングし、全学規程に基づき自己点検・評価を行い、必要な場合は方策を検討し実行する。

2. 学習成果

当該プログラムを構成する各科目の成績評価は、シラバスに評価基準を示した上で各科目担当教員が客観性をもって行っている。令和6年度に本プログラムを修了できる1学年(2年生)において、本プログラムに含まれる全学及びデータサイエンス学部の必修10科目すべてについて単位取得率は100%であった。選択必修13科目についてもすべて取得率は90%以上であった。成績分布については、必修10科目はすべての科目で90%以上がB以上であり、選択必修科目は大半の科目で70%以上がB以上であり良好な理解度であった。
 半期ごとに各科目の単位取得率及び成績分布を要約し、データサイエンス学部教授会において学習成果を自己点検・評価する。全学で実施している授業評価アンケートなどの結果も用いて総合的に評価を行う。

3. 学生アンケート等を通じた学生の内容の理解度

本プログラムを構成する令和6年度開講科目の授業評価アンケートの結果では、本プログラムの必修10科目中8科目で「この授業の到達目標(シラバス記載)は達成しましたか。」という質問項目について、5段階評価で「4.そう思う。」あるいは「5.強くそう思う。」と回答した学生の割合は2/3以上であり、「資料・テキストの内容は適切でわかりやすかったですか。」及び「教員の説明・話し方はわかりやすかったですか。」という質問項目等についても同様の高い理解度・満足度であった。アンケート結果についても、成績分布と同様に、データサイエンス学部教授会において自己点検・評価する。

4. 学生アンケート等を通じた後輩等他の学生への推奨度

本プログラムを構成する科目に関する令和6年度の授業評価アンケートの結果、必修科目の大半において、理解度や満足度に関する質問項目への回答において2/3以上の学生が肯定的な回答を行っている。これらの肯定的な評価は、データサイエンスカフェ(DS Café)等を通じて上級生から後輩への推奨が期待される。本プログラムへのアンケート結果の継続的な自己点検・評価によるプログラムのブラッシュアップを通じて後輩への推奨を高めたい。

5. 全学的な履修者数、履修率向上に向けた計画の達成・進捗状況

当該プログラムはデータサイエンス学部の学生を対象とし、修了要件に含まれる必修科目はすべて全学及び学部の必修科目であり、選択必修科目の修了要件についても学部の卒業要件に準じている。このため、本学部学生は本プログラムへはエントリーを必須とする。修了率を100%に近づけるために、データサイエンス学部教授会においてプログラムの自己点検・評価を定期的に行う。併せて、広報を各学年の少人数ゼミを中心に行う。更に、自己点検・評価の結果は定期的に全学の内部質保証推進会議へも報告し全学的に情報共有しながらプログラムの改善・進化並びに自己点検・評価を進める。

学外からの視点

1. 教育プログラム修了者の進路、活躍状況、企業等の評価

データサイエンス学部は令和9年3月に本プログラムを修了した第1期生が学部を卒業するため、それ以降に卒業生の就職先企業・自治体等に対して、修了者の配属、活躍状況、職場からの評価についてヒアリング調査を行う。全学の進路・就職課及びデータサイエンス学部の進路・就職委員と連携し、当該プログラム及び修了生の評価をモニタリングする。

2. 産業界からの視点を含めた教育プログラム内容・手法等への意見

本プログラムの必修科目や選択必修科目では、企業や自治体の最前線でデータの利活用による課題解決を行っている方々をゲストスピーカーとして多数招聘している(令和6年度は、26の企業・自治体から招聘)。また、学部2年生は必修科目の中で全員が企業・自治体の現場見学を行い、事前学習・現場での課題解決に関する発表を行っている(令和6年度は、9つの企業・自治体のいずれか1つを全員が現場見学)。これら多数の企業・自治体の最前線で活躍する方々からの声を取り入れ、学部FDでの議論を通じて、プログラムを更に実践的なものへ改善する。

全般

1. 数理・データサイエンス・AIを「学ぶ楽しさ」「学ぶことの意義」を理解させること

本プログラムでは、企業・自治体の最前線で活躍する方々をゲストスピーカーとして招聘し、様々な場面におけるデータサイエンス・AIの実際の活用事例を多数紹介する。更に、企業・自治体を現場見学し、実際のデータサイエンティストとディスカッションを行う。これにより、学生は将来の社会における仕事を具体的にイメージでき、自らが専門分野に数理・データサイエンス・AIを応用し課題解決し価値創造することの楽しさを知り、更にそのために学ぶべき内容が明確となり学びのモチベーションも高まる。

2. 内容・水準を維持・向上しつつ、より「分かりやすい」授業とすること

数理・データサイエンス・AIには日々イノベーション・変化が起きている。今後も企業・自治体の現場からのインプットを本プログラムに積極的に取り入れ、より実践的な教育プログラムの自己点検・評価に活用する。一方で、プログラムの受講者である学生からの声も重要であるため、学部の諸活動のPPDACサイクルに学生の意見を反映するために教員及び学生の委員から構成されるデータサイエンス学部・研究所推進委員会(令和6年度は7回実施)における学生からの意見も自己点検・評価に活用する。