土田潤先生

PROFILE

データサイエンス学部 データサイエンス学科
土田潤先生
Jun Tsuchida

研究テーマ:スポーツデータ・マーケティングデータの分析

博士(文化情報学部/同志社大学)。東京理科大学工学部情報工学科助教、同志社大学文化情報学部助教を経て、2023年度より現職。日本分類学会、日本計算機統計学会、日本統計学会、日本行動計量学会、American Statistics Association所属。2016年に日本分類学会奨励賞、2021年に日本行動計量学会肥田野直・水野欽司賞(奨励賞)を受賞。

具体化と抽象化を繰り返し
チームでデータ分析を行う。

私のゼミでは、スポーツ・マーケティングデータの分析に取り組み、実践的な知識や技術を学んでいきます。本ゼミでは、データ分析によって、問題の具体化と抽象化を繰り返していきます。この具体化と抽象化のループは、具体的な問題を抽象化して問題解決の糸口を探すなど、社会でもあらゆる場面に応用できる技能です。データ分析はチームで行い、個々の得意を生かしつつ、多様性を享受する姿勢も養います。一つのデータからでもさまざまな解釈があることを理解し、その違いを認められる多角的な視点と思考力を身につけてほしいと考えています。

ゼミ生同士で刺激し合い、チームで協働する楽しさと大切さを養成したい。

データサイエンス学部は新設されたばかりですから、まだゼミは始まっていません。今後、ゼミで計画していることをお伝えします。サッカーや野球などのスポーツデータの分析や質問紙調査などから得られたデータの分析に取り組む予定です。そのための基礎知識の勉強として、データ分析の方法論や必要なプログラミングに関する知識の勉強会を開いていきます。ゼミでは積極的にデータ解析コンペティションに参加することも考えています。データ分析では、仮説とデータ、データと分析、分析結果と仮説に対する回答など、どうしても具体化と抽象化の繰り返しは避けられません。この具体化と抽象化のループをどれだけ繰り返せるかが重要だと考えています。そのためには、仮説だけでなくデータや方法論など、対象としている物事に関するさまざまな知識が必要となります。また、具体化が得意な人や抽象化が得意な人のように、一人ひとりの強みも異なります。よりよい成果をあげるためにも、チームで協働する楽しさを実感してほしいですね。

分析だけでなく、誰に、何を伝えるか、さらにその先まで意識して。

データ分析では、誰にデータ分析の結果を伝えたいかを意識することを指導したいと思います。データ分析の結果を伝える相手は、必ずしもデータ分析のプロではありません。データの取得に詳しい人や仮説など背景に詳しい人、そういった人にデータ分析の結果をそのまま伝えるのではなく、その人に向けてメッセージを作れるようにすることを意識しています。サッカーの分析の結果を伝えるとすると、監督やオーナー、選手自身などが考えられます。「勝つためにどうすればいいか?」をデータの観点から説明する場合は、その人たちにとってわかりやすい説明が求められます。サッカーを盛り上げるためのデータ分析であれば、必ずしも選手や監督に伝える必要はなく、現地にいる観客や視聴者などに向けて端的に伝える方法なども考えられます。「誰に向けて」、「何を伝えたいか」、「その結果どんなことをしてほしいのか」まで想像できるように指導していければと思います。

チームでの協働、プロセスの応用、多様性の3点を学んでほしい。

学んでほしいことは大別して3点あります。1つ目は、データ分析はチームで行うということ。得意を共有するだけでなく、メッセージをどう伝えるかという観点からも、一人でデータ分析の結果を閉じないということを学んでほしいと思います。2つ目は、さまざまなことで具体化と抽象化を繰り返すこと。データ分析では非常に多くの具体化と抽象化を行います。これらはデータ分析だけに特有のものではありません。具体的な問題から抽象化し、問題解決の糸口を探し、抽象化したときに類似した具体的な問題を応用できないか思案するなど、さまざまシーンで利用できると思います。データサイエンスの考え方やそのプロセスをいろいろなところに応用できる人になってほしいと思います。3つ目に、多様性を認めるということ。一つのデータから多様な解釈が考えられます。自分の考えに合わないことも少なくないでしょう。しかし、それを排他的に考えのではなく、自分とは異なる考えを認め、なぜ違いが生まれるのかを考えることが大事ではないかと思います。

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