PROFILE

発達教育学部 教育学科 養護・福祉教育学専攻
正野 良幸先生
Shono Yoshiyuki

※学科再編のため、現在は家政学部 生活福祉学科に所属しています。

研究テーマ:高齢者福祉・貧困問題・地域再生

2010年立命館大学大学院 社会学研究科 応用社会学専攻 人間福祉領域 博士課程後期課程修了 博士(社会学/立命館大学)。介護政策、貧困問題、地域再生、住民参画、パートナーシップをキーワードに、研究を進めている。

 様々な社会の問題と、
どのように向き合っていくか。 

町でホームレスらしき人を見かけたことがありませんか。日本国憲法第25条(生存権)には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と記されています。河川敷などで生活するホームレスの人たちは、健康で文化的な生活と言えるのでしょうか。日本には生活保護制度があるものの、まだまだ課題が多いのが現実です。また少子高齢化が進む日本では、高齢者の介護問題が浮上しています。さらには、富裕層と低所得者層との格差が広がり、「格差社会」と呼ばれる時代になっている現在。一人でも多くの人々が幸せな生活を送るためには、どのような制度・政策が求められるでしょうか。

日本と海外の制度・政策を知る。

授業やゼミは、日本における少子高齢化の影響や貧困問題、障がいのある方への支援、地域再生に向けた取り組みを中心に取り上げています。また、海外の取り組み例として、イギリスやスウェーデンなどの施策を参考にしながら進めています。
少子高齢化が進む日本では現在、高齢者への施設への入所を希望する人の待機問題や介護保険料の増大といった問題があります。さらには貧富の格差など、新たな問題も浮上してきています。福祉サービスを利用したい人が、いつでもどこでも安心して生活できるようにするためにはどのようにすれば良いのか。制度・政策の面から検討していきたいと思います。

自分から積極的に調査に出向く。

ゼミでの卒業論文や研究活動は、学生自身が問いを設定し、その課題に取り組んでいくことになります。もちろん基本的な知識や必要な技術は先に伝えますが、その先は学生本人が図書館で文献を調べたり、ヒアリング調査へ出向いたりします。
例えば、地域の福祉政策を研究する場合は、まずは市町村などの地方自治体の担当部署へのヒアリング調査を実施。そこで得られた内容や資料をもとに、研究を進めていきます。同様に、福祉に関連する社会福祉法人やNPO法人、株式会社へのヒアリング調査も行います。こうした調査結果をもとに、現在の福祉政策において不十分な点をピックアップし、その解決方法に向けた施策を考えていくことになります。

『考え続ける』ことの大切さ。

大学での授業やゼミを通じて、『考え続ける』という力を身につけてほしいと思っています。世の中には、様々な問題が存在しています。すぐに全てを解決するということは難しいかもしれません。解決に向けて、一歩ずつ進めていく姿勢が必要になるでしょう。そのため、この問題はなぜ生じているのか、なぜ解決できないのか…と『考え続ける』ことが大切になります。
この『考え続ける』という力は、社会に出て新たな問題に遭遇した時に、必ず役に立つと思います。すぐに諦めるのではなく、どうすれば良い方向に進めていけるのだろうと考えることで、新しい道も開けてくるように思います。
人間は、一人では生きていくことはできません。必ず誰かの助けを必要とし、誰かの助けになっています。人と人とのつながりがあるからこそ、我々は幸せな毎日を送ることができます。孤立を防ぎ、希望をもてる将来について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

  • 就職支援
  • 京女の就活力