PROFILE

発達教育学部 教育学科 教育学専攻
福永俊哉先生
Toshiya Fukunaga

研究テーマ:教育哲学・道徳教育・人権教育

文学修士。彦根東高校非常勤講師、滋賀県立大学非常勤講師、龍谷大学非常勤講師などを経て、京都女子大学専任講師、准教授。京都女子大学では、倫理学、論理学、思想研究、人権論などを担当後、発達教育学部に異動。現在、教育哲学、人権教育論、道徳教育論、入門演習、基礎教養科目、情報リテラシー科目などを担当。

「子どものための哲学」を理解し、
卒業論文完成に向けて
「自ら考える力」をはぐくむ。

近年では、初等中等教育段階でのすべての教科において話合い活動が広く授業に取り入れられています。言語活動は、アクティブラーニングの大きな要素の一つでもあります。新たに教科化された道徳授業のように、自分の言葉を使って自ら考える活動です。こうした状況で、さまざまな教科において行われる考える活動の基礎をはぐくむ「子どものための哲学」が注目されています。教師になろうとする学生にとって、その狙い、意義、指導法について理解しておくことは重要なこと。ゼミでは、こうしたことを始め、教育哲学の立場から教育全般のテーマについて広く扱っています。卒業論文完成まで、2年間のゼミを通して「自ら考える力」をはぐくんでいきましょう。

ステップを踏みながら卒業論文を作成。

ゼミは卒論準備段階の3回生ゼミと、卒論執筆段階の4回生ゼミとに分かれています。3回生ゼミでは、前期において、調査の仕方、文章の読解、レジュメの作成、長文作成のためのコンピュータ・アプリ使用法を学びます。後期では、卒論テーマ決定のための論文調査等を行い、各自レジュメを作成し報告。そのプロセスの中で、注釈の書き方、パラフレーズの仕方なども指導し、また全員で議論をします。4回生ゼミでは、卒論テーマと論文アウトラインの決定後、次々に調査結果の検討や卒論原稿の発表を行います。全員で議論ししながら卒論原稿の完成に向かいます。また例年、夏の卒論中間発表会、冬の卒論発表会と、年間2度、3、4回生合同の研究会を行い、異学年で交流し多様な視点からコメントし合っています。3回生は実際に卒論に触れ、4回生は自分の経験を元に3回生の論文構想にアドバイスを行う機会になります(2020年度はコロナのため縮小、ZOOM利用)。

学生各自が興味のあるテーマを定め、研究する。

卒論では各自が興味をもったテーマを扱います。道徳教育、人権教育、子どものための哲学(言語活動)に興味をもつ学生もいますが、テーマに関して枠をはめることはしていません。化粧品会社に就職した学生が、女性にとって化粧とは何かというテーマについて、歴史的、文化的、意味論的に検討したり、学校掃除について思想史を背景に日本社会の歴史や文化、また労働観の国際比較を通して、日本の学校教育における意義や効果を検討したりすることもあります。ただし、「教育学専攻で学んだんだから、よほどの理由がない限り教育に関わることを研究テーマにしよう。何を仕事にするにしても、そのことがあなたの専門領域、バックグラウンド、個性ということになるのだから」という指導は行っています。

読解力や思考力、調査や立案など幅広い力を養成。

ゼミでは言葉を使って考えるために必要になる読解力や、論理的思考力を身につける活動を継続的に実施しています。全員で議論することで多様な視点と論拠の存在に気づき、分析的な思考力が育っていきます。また、調査活動を通して多様な情報に触れ、自分の基本的な着想を論理的に整理された小論文に書き上げ、それを論文(研究)計画に展開していく訓練では、プロジェクト・マネジメントの基礎的な力が養われていき、将来、学校や企業、社会での、新しい活動や企画の調査・立案に関わる際に役立つでしょう。さらに道徳や人権の原理について学ぶことによって、「この問題について私はどうするべきか」という妥当な判断の仕方が身につきます。

  • 就職支援
  • 京女の就活力