PROFILE

発達教育学部 児童学科
黒原貴仁先生
Takahito Kurohara

研究テーマ:幼児期における運動能力や生活習慣の関連、領域健康におけるカリキュラムマネジメント、小規模校・複式学級における小学校体育授業、保幼小連携

鹿児島大学大学院教育学研究科教科教育専攻保健体育専修修了。修士(教育学)。鹿児島女子短期大学児童教育学科に9年間勤務し、2020年より現職。小学校教諭専修免許、中学校教諭専修免許・保健体育、高等学校教諭専修免許・保健体育、日本体育協会公認スポーツ指導者資格をもつ。

子どものように
楽しみながら
学び続けるゼミ。

ゼミで大切にしていることは「子どものように楽しむ環境をつくり出すこと」。ただ「楽しむ」だけではなく、「子どものように」が大事だと考えています。運動に例えると、「初めてできた喜び」や「目を輝かせながら失敗を繰り返し、何度も挑戦(取り組む)する」などです。具体的には、「幼児期における運動能力や生活習慣との関連」、「幼児教育における教師行動やカリキュラムマネジメント」をキーワードに学生各自でテーマを決め、研究を進めていきます。斬新で興味深い意見交換が活発に行われ、授業時間を過ぎても研究室に残り、帰ることを促すまで夢中になり議論する様子は頼もしいばかり。ゼミ生には夢中になれる環境で、試行錯誤しながら学び続ける「ONE TEAM」であってほしいと思っています。

人間的な成長をめざす幼児教育について学ぶ。

子どもは幼児期のうちに、社会性や表現力、人間関係など、社会でよりよく生きるために必要な力の基礎を学びます。生活や遊びのあらゆる体験を通して学びを得て、人間的な成長をめざすのが幼児教育です。しかし近年は子どもたちの意欲関心の低下や、集中力・自制心の低下、運動能力の低下といった課題も指摘されています。運動あそび(体育)は、生涯にわたって運動(スポーツ)を楽しむための基礎的な体力や運動能力を発達させるだけでなく、友達との関わりを通して、コミュニケーション能力、やる気や集中力、社会性や認知能力などをはぐくむ機会となります。こうした運動あそび(体育)の意義や目的について学ぶことは、将来、教師となる学生の基礎にもなっていきます。

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて。

これまで私は、主に体育授業(運動あそびを含む)に焦点をあて、実践的な研究を進めてきました。現在、学習観の転換(コンテンツベースからコンピテンシーベースへの転換)を受け「主体的・対話的で深い学び」の実現が重要視されていますが、その一方で「何を学んでいくのか」また「教師がどのように関わっていくのか」という実践研究レベルでの課題も存在しています。そこで、今後は「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、コンピテンシーベースにおける質の高い授業の構築をめざした研究を進めていきたいと考えています。現在はある幼稚園と領域(健康)のカリキュラムマネジメントに関する共同研究を進めているところです。ここでは、幼児教育で行うべき教育・保育内容の改善・充実を図り、乳幼児の心身の健やかな成長の増進を求め、あらゆる発達の連続性を踏まえた学びの提供を、現場の教師と協働で構築することをめざしています。

答えのない問題に取り組むことで主体的に考える力を。

ゼミでは、学生たちはあるテーマについて自身で課題をみつけ、あらゆる視点からディスカッションします。何事にも自分の意見をもち、表現し、さらに相手の意見取り入れた上で検証する力をつけるためです。大学時代に「答えのない問題」を発見し、その原因について考え、最善解を導くために必要な専門的知識および汎用的能力を鍛えることは欠かせません。また、いま社会に求められているのは、生涯学ぶ習慣や主体的に考える力をもつ人材だと思います。発達教育学部児童学科には、将来、教育者を志す学生が入学しますが、教育には答えがなくかつゴールもありません。社会人になると学校の先生ではなくとも「教育」に携わる機会はあると思います。答えの存在しないシュチュエーションに出くわした際、自分で答えを出し、その妥当性を判断、実践できるような力を身につけてほしいと思います。

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