PROFILE

発達教育学部 発達教育学部 教育学科 音楽教育学専攻
ガハプカ 奈美先生
Nami Gahabka

研究テーマ:声楽・声楽教育、呼吸法を用いた感性教育

東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。ミュンヘン州立リヒャルト=シュトラウス音楽院大学院オペラ科を経て、ドイツ国立ベルリン芸術オペラ・劇場研究科修了。ディプロマ(修士)。中央ドイツ歌劇場ヴィッテンベルク専属ソリストとなり、歌劇《ヘンゼルとグレーテル》グレーテル役でデビュー。2012年より現職。現在も国内外でさまざまな形態のコンサートを行っている。

呼吸法を身につけ、
自分らしさ、
なりたい自分を発見する。

歌とは音と言葉の素晴らしい融合です。私のゼミでは、自分の身体が楽器である「声楽」を学びます。他の楽器と違って「声楽」には「言葉」があります。「言葉」には、魂が宿り、人の感情がこもっています。その「言葉」を操るため、「自分」と向き合うことも学びます。そのためには「呼吸法」が欠かせません。感性教育の根源ともいえる「呼吸法」を身につけることで、さまざまな感情をコントロールすることができるようになり、自分らしく、なりたい自分を発見することができます。学内で学んだことを学外で披露する機会も設けています。外部の演奏ホールで発表会を行ったり、地域連携活動として地域のすこやか学級や施設に出かけて演奏を聴いていただいたり、コラボレーションをしたり、音楽を通した幅広い活動を行っています。

ゼミ生が主体となって行う学外での音楽活動。

学外での活動の際は、学生の「得意」を前面に出せるように、ゼミ生一人ひとりが自分の意見を言えるような場をつくることを心がけています。私は選曲に関する助言や、先方とのコラボレーションの可能性などを示唆するサポート役。学生が主体となってプログラム構成や選曲などを決定していきます。また、演奏会の司会進行やチラシやプログラム作成などもすべて学生が行います。そのような活動で培った知識で、卒業後も自分たちでしっかりと演奏会の企画をしたり、イベントの企画をしたりできるようになると考えています。ゼミやグループでの活動以外に、個人的に声楽コンクールに出場したり、ミュージカルの舞台に挑戦したりする学生も珍しくありません。

「呼吸の8つの流れ」を身につけ、「与える」存在に。

学生にはまず「自分らしい」とはどのようなことか考えられるようになってほしいと思っています。そのための手段として、ゼミでは「呼吸の8つの流れ(1.気づく、2.認める、3.生かす、4.共感する、5.高める、6.つながる、7.深める、8.与える)」に沿って、さまざまなことに挑戦しながら自然に考える力が身についていくよう工夫しています。それらを繰り返し学ぶことによって「直観力」が育まれ、何事に対しても「自分」をしっかりともった対応ができるようになっていきます。「直観力」は、各学生の音楽の中に根づき、その音楽は、人の深い感性による理解と結びついて、言葉を介することなくわかりあえるものとなります。そして「呼吸法の8つの流れ」の8つ目である、その人そのものが「与える」存在となっていくことを確信しています。

「簡単」で「気持ちよく」て「続けられる」呼吸法。

私の研究テーマは呼吸法です。呼吸は止めることなく行っている行為ですが、ほんの少しだけ意識するだけでまったく違う自分と出会うことができます。現在までに「簡単」で「気持ちよく」て「続けられる」呼吸法を考案して活動の場を広げています。これまでに、中・高齢者施設での健康維持のための活用や、常に緊張を強いられる刑務官や警察官の方々に役立てられたりしています。また、武道(柔道・剣道)の中にも呼吸法を用いることで、本来の力が出せたり、ケガを防いだりできることがわかってきました。これからも、より多くの人に呼吸法を身につけてもらえるよう活動を続けていきたいと思っています。

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