PROFILE

現代社会学部 現代社会学科
掛谷純子先生
Junko Kakeya

研究テーマ:企業を財務諸表から分析する

大学卒業後、大阪府庁に勤務。大阪府庁退職後、公認会計士第2次試験に合格し、大手監査法人に勤務した後、独立。2015年より現職。

企業の会計数値を読みとき、
経営戦略を研究することで、
生きたスキルを身につける。

私のゼミでは「企業はどれくらい儲かっているのか?」「どれくらいの財産を保有しているのか?」など、さまざまな会計数値から企業を分析しています。財務諸表(決算書)の貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書だけでなく、新聞やビジネス雑誌の記事などと関連づけ、企業の経営戦略についても研究。3年次には他大学と合同でゼミの発表会を実施し、分析結果の発表をグループで行います。グループディスカッションやプレゼンテーションを行うことで理解を深め、他者の意見を取り入れながらまとめていく能力を養っていきます。企業の財務諸表を読みとくスキルは、就職活動はもちろんのこと、社会に出てからもさまざまな面で役立つことでしょう。

数字に苦手意識があっても、おもしろさに気づくことができる。

社会人であっても財務諸表の分析に苦手意識をもっている人がいます。簿記や会計については、企業の財務諸表(決算書)を「作成する」技術をイメージする場合が多く、経理や経営に携わっていない自分にはあまり関係がないと思う人も少なくありません。しかし、財務諸表を読む力、会計数値を分析する力を身につけることによって、企業の実態を知ることができます。学生であれば、就職活動時の企業研究に活用できますし、就職後も自分が勤めている企業や取引先企業の状態を把握するのに役立ちます。数字が苦手だという場合であっても、企業の経営戦略などと結びつけて考えることで、財務諸表分析の面白さに気づく学生も多いと感じます。私のゼミで学ぶ会計は「生きた会計」であり、経営学とのつながりを意識することにより、実践的な学びにつながっています。

グループで取り組んだ後、個人で卒業論文をまとめる。

3回生は業界分析や事業構造、経営戦略と財務諸表分析などの事例研究にグループで取り組みます。4回生では学生個人の興味・関心により、卒業研究で取り上げたいテーマを選定し、卒業論文を執筆していきます。3回生・4回生ともに、自発的に研究活動に取り組んでいます。そうした主体的な学びを促すため、私はできるだけ関与せず、質問があれば、それに対して答える程度にとどめています。中間報告として適宜プレゼンテーションを実施してもらい、その際に気づいたことを伝えます。グループでディスカッションすることや、他のグループの学生からの質問によって気づきが生まれ、それに対して学生たちが自主的に考えることにより、さらなる成長につながっています。

他者の意見に耳を傾け、自分の意見を伝える力をはぐくむ。

私自身の研究テーマは地方自治体の管理会計です。自分自身が公務員として勤務していた経験もあり、住民にとって最も身近な存在である地方自治体が効率的に運営するため、会計はどのように寄与できるのかを研究したいと考えています。学生は、3回生・4回生のゼミを通して財務諸表を分析する能力だけでなく、他者の意見を聞くとともに、自分の意見を伝える能力を身につけてくれています。ゼミとしての団結力も強く、お互いに切磋琢磨する関係が築けているようです。社会に出てからは組織の一員として行動することになりますが、ゼミでの経験を生かし、組織を良い方向に進める人材になってくれることを願っています。

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