PROFILE

発達教育学部 教育学科 教育学専攻
坂井 武司先生
Sakai Takeshi

研究テーマ:算数・数学教育

2008年兵庫教育大学修士(学校教育学)、2015年甲南大学大学院博士(情報学)。2011年に鳴門教育大学、大学院学校教育研究科准教授に就任。2016年に京都女子大学発達教育学部准教授となる。算数科教育に関する著作、論文多数。

 算数好きな子を育てるには、
教員を育てることが大事。 

「2+3=□」と結果を導き出していくか、「□+□=5」と過程を考えることにポイントを置くか。数字へのアプローチ法はさまざまです。算数は、国語や社会と違って万国共通のイメージを抱きがちですが、実際には、国によって授業の進め方が違います。そして日本の教育指針となる学習指導要領自体も、時代によって変化します。そうしたなかで、教育現場の先生方は、子どもたちが「楽しい」「分かった」と思える算数の授業をめざして、日々、工夫を重ねています。試しに「算数 授業」でネット検索をかけると、膨大な件数が表示されるのに驚かされるでしょう。

算数の本質を捉えられる教員を養成。

私はもともと、小学校教員をしており、当時から算数教育、数学教育をメインに研究してきました。現在特に力を入れて取り組んでいるのは、教員教育です。算数の授業について、児童に対する教え方や、教える側の教師をどう育てていくかを研究テーマにしています。教員養成や、学校現場の教員への研修をどのように行うことが、算数や数学の本質を見抜く力の育成につながるのかを考え、研究を進めています。
また、それと並行して他国との比較研究も行っています。例えば先進国であるシンガポールに赴き、現地の授業を見学しました。学力の高い児童の発言内容やそれに対する教員の指導方法をチェックしたり、教員にインタビューするなどして、良い点を日本の教育に適応させるにはどうすべきかを考えています。また、途上国の学習指導にも関心をもっています。

算数に関連した研究テーマは多彩。

ゼミでは、算数を切り口に学生が個々にテーマを設定し、それについてそれぞれ調べていきます。シンガポールの算数教育に興味をもって私と一緒に研究している学生もいますし、国際教育に興味をもっている学生もいます。他にも、ESD(Education for Sustainable Development=持続可能な開発のための教育)をテーマにしている学生もいれば、プログラミング教育に関連づけて算数教育をどうしていくべきかを研究している学生もいて、研究対象は幅広いです。また最近は、私自身が算数障害をもつ子を対象としたユニバーサルデザインの授業づくりに着目していることもあって、特別支援学校教諭免許状の取得を希望する学生の指導にも今後は力を入れていくことになると思います。

「なりたい教員」に近づくために。

どのような研究テーマであれ、論理的思考力や論文構成力、プレゼンテーション力が求められます。ゼミでは、全員の前で自分が調べてきたことについて発表し、聞く側も、自身の研究と異なる内容についてもどんどん質問していきます。質問に答えることで発表者の研究内容はブラッシュアップされますし、発表者以外も何かしら得るところがあると考えます。
特に教員をめざす学生は、専門知識はもちろん必要ですが、幅広い教養も求められると思います。また、相手を理解しようと努めることも大事です。いろいろな人と出会い、話し、自分の幅を広げていけるのが大学生活の良さです。自分のなりたい教師像をイメージして大学生活を送ることが大切だと思います。

  • 就職支援
  • 京女の就活力