教育学科
【発達教育学部】「児童文化活動論」:地域に根差した児童文化活動に取り組む女性たち(松崎先生)
「児童文化活動論」10月15日の授業に、京都府福知山市で18年にわたり子どもたちに本の楽しさを届ける活動に取り組む「へのへのもへじ」のみなさんに来ていただき、実演と講演をしていただきました。
実演は、この夏、市内の児童クラブを廻った際のプログラムをそのまま、たっぷり45分ほどやってくださいました。「へのへのもへじ」の特徴は、ピアノやフルートの生演奏と歌を盛り込んだ絵本の読み聞かせやパネルシアターの上演です。語りに音楽が加わることで、物語の世界が一層色濃くイメージできたり、演じ手と観客を一つに包み込む雰囲気が自然に生まれたりするのを肌で感じ、あっという間の実演ステージでした。
受講生たちはみんな目をキラキラ輝かせて、次々に紹介される絵本の世界を五感を通して感じ味わっていました。「へのへのもへじ」のみなさんも、そんな学生の様子を見て、ますます楽しく演じることができたとおっしゃってくださいました。
講演では、3人の出会いから「へのへのもへじ」結成、そして、18年間の活動について、それぞれの人生にも触れながらお話ししてくださいました。我が子の通っていた幼稚園の絵本サークルでの出会いをきっかけにグループを結成し、それぞれの得意分野を発揮しながらプログラムを増やしていき、仕事や家庭・子育てもしながらずっと活動を続けてこられたそうです。時には人生における苦しいこともあったそうですが、このメンバーの存在と、この活動を通して出会う子どもたちの笑顔と、そして、この活動が自分自身を楽しく前向きにしてくれることが、18年間やり続け今後もずっとやり通したいと思う要因だと語ってくださいました。「ママ友から、ママがとれて友達になって、今は同志!」という言葉に、学生たちは思わず「かっこいい!」ともらしていました。
終了後の学生のコメントからは、「へのへのもへじさんのような活動は、子どもが『本は面白い』『新しいことに出会うのって楽しい』と感じ、新たな文化に出会うトビラだと思った」とか、「子どもが絵本を読む(みる)のは、子どもが心を動かして感性で味わう『主体的な活動』だとわかった、それを忘れないでいたい」など、本や読み語りの児童文化活動の意義について考えることができたことが見て取れました。
また、「自分がしていて楽しかったりやりがいを感じたりすることに全力で取り組んで、自立できる大人になりたいと考えた」とか、「大人になって新しく出会った人と生きがいになるくらいに大切な活動を一緒にするなんて考えたことがなくて、人との出会いやつながりをこれから大切にして生きていきたいと思った」など、「へのへのもへじ」の3人の方の生き方が、今後のライフデザインを考える参考になったという学生の声もありました。
今回の授業を通し、受講生に多くの気付きと学びをくださった「へのへのもへじ」のみなさんに、あらためて感謝いたします。
(授業担当者:松崎行代)
