いまも背伸びを意識して、
社会に役立つ研究を推進。

A.Kさん勤務先:大阪公立大学 生活科学部 食栄養学科 教授
家政学部 食物栄養学科 卒業

大学院で研究、臨床、学会発表の経験を積んだ。

学部で学んだことをベースに、大学院でも良い指導教官に丁寧に育てていただきました。研究を行う際、いつも研究のビジョンをお示しくださり、「明らかにしたいこと」のために何をすべきなのかを考える、という姿勢を身につけることができました。病院で臨床研修生として定期的にカンファレンスに参加させていただき、臨床経験の機会もいただきました。また、視野を広げるためにも学会発表をたくさん経験させていただき、賞をいただくこともできました。指導教官の「背伸びをしないと成長しない」という教育のお陰で、いまも少し無理そうに感じることでも、背伸びして新しいこと、いまよりも高い力が求められることに挑戦することがしやすくなっているように思います。

管理栄養士の活躍と、社会での地位向上をめざして。

いまは大学の管理栄養士養成課程で応用栄養学分野を教えています。応用栄養学は実践的な栄養学を学ぶ最初の科目です。生化学や生理学で学んだことを、どのように実際の栄養管理に活かしていくのか、また当たり前のように使っているエネルギー・栄養素の摂取量の基準の決め方や考え方を教えています。研究はヒトを対象としたもので、脂溶性ビタミンがヒトの健康にどのように関わるのか、健康維持・疾患予防のためにどれだけ摂取すべきなのか、がメインテーマです。講演の機会を通じて、研究者の方や一般の方にも研究成果を元に、栄養学の重要性を伝えることにも努めています。自身の発表した論文がガイドラインなどに引用された際に、わずかでも社会に役立つ研究ができたかな、とやりがいを感じます。医療費がひっ迫する中で、疾患の一次予防が極めて重要になりますが、栄養学が大きく力を発揮するのはまさにここです。そのため、管理栄養士がもっと活躍できるように、力のある管理栄養士を養成して、社会での地位をもっと上げていくことが必要であると考えています。