多様な視点で、社会に新たな答えを。
社会は急激に変化をしています。
今日まで常識だったことが、明日には違うかもしれない。
そんな時代を、私たちは生きています。
京都女子大学 現代社会学部では、
学問分野の枠を超えた学びを通じて、
幅広い視点から新たな答えを導き出す力を育みます。
さまざまな価値観が交わる京都の地で、
多くの経験と挑戦を重ねながら、自ら考え、
知識を行動へとつなげる学びを実践していきます。
変化を恐れず、ともにワクワクする未来を。
新しい現代社会学部が動き出します。
現代社会に関わる幅広い3領域から
個々の興味・関心に応じて
横断的に深く学ぶ
あらゆる社会現象を取り上げ、科学的に分析する京女の現代社会学部。2026年4月から3つの領域を設定することで、幅広い分野からより専門性の高い学びを提供します。経済、経営、文化、メディア、心理、政治、国際関係、環境、家族、地域など、現代社会に関する幅広い科目について自分の興味・関心に合わせて組み合わせながら学び、社会を分析・考察し、課題解決に取り組む力を身につけます。
興味・関心に合わせて、
3領域から選択できる
身近な地域から
国際的な社会までの課題を
幅広く取り上げ考察
家族や地域といった身近な集団や社会のあり方を理解したうえで、持続可能な地域づくりの課題に向き合うための社会制度や公共政策を実践的に学びます。また、日本だけでなく国際社会を主に政治の視点から学び、幅広い視野を身につけます。
将来のイメージ
取得可能な教員免許・資格※1
経済をめぐる諸課題と
企業経営の最前線について
学修する
企業経営、経済学、公共政策を中心に幅広く学びます。現代社会で求められる経済やビジネスの知識とスキルを身につけ、将来のキャリア形成に役立てることができます。また、実践的な学びを通じて、変化する社会に対応できる力を養います。
将来のイメージ
取得可能な教員免許・資格※1
メディアと文化現象の関係を
心理や情報などの切り口で
深く学ぶ
メディアや文化は人間と社会をつなぐ鍵。人間の心や思考にせまる心理学や哲学、社会のつながりを読み解くメディア研究、現代のメディアや文化を支える情報インフラ技術の習得など、多角的なアプローチからこの鍵を解き明かします。
将来のイメージ
取得可能な教員免許・資格※1
観光地のイメージが強い京都市東山区は、都市型超高齢化社会という一面も持ちます。町内会長へのアンケート調査を通じて、地域社会の実情や課題に迫ります。
気候変動対策として注目される再エネですが、地域活性化にも役立つことがあります。導入地域への住民調査から地域社会に役立つ再エネのあり方を考えます。
京都には、日本国内外で名を馳せる老舗や大企業が多く存在します。企業見学やインタビューを通じて京都企業の実態を深く知り、その歴史や強み、魅力を探ります。
京都の合計特殊出生率は全国で5番目の低水準。女性の就業状況や仕事と育児の両立環境等を切り口に、各都道府県の出生率を分析し、今後の京都に必要な対策を考えます。
京都には多くのライブハウス、クラブ、CDショップや書店が集積し、ポピュラー音楽を楽しむメディア環境が充実しています。こうした「現場」を探索し、現代の音楽文化を理解します。
サイバー空間を中心に詐欺被害が減らない現代社会。京都の安心・安全な消費活動を守るため、行政、警察と連携しながら科学に基づいた情報収集・啓発活動を行います。
再生可能エネルギーの普及は今、不可欠かつ喫緊の課題です。現在、多くの地域で普及に向けた取り組みが進められていますが、導入量はまだまだ十分ではありません。私のゼミでは地域と協力しながら再エネを発展させる方法を探るとともに、地域住民の合意形成におけるプロセスに関心を持って研究を行っています。一例を挙げると、温泉街で地熱発電の導入を計画するとき、温泉の枯渇を懸念する住民からの合意が得られないケースがあります。しかし現在では、温泉経営と地熱発電の共存が可能な技術と枠組みができつつあり、むしろ地熱発電の推進により住民にも便益の配分が行き届く事例が増えています。つまり再エネの導入が、地域活性化の起爆剤として機能しているのです。
再エネを地域振興にも結びつける発想は「経済学」や「経営学」の視点であり、住民の合意形成には「社会学」の側面も。自分の興味ある切り口から考察できるのは、この研究の魅力といえます。ゼミでは再生エネ政策にとどまらず、学生の関心に沿って環境問題まで広げて研究テーマを立てることができます。必須なのがフィールドワーク。自ら現実の課題を発見し、解決に向けた結論を出すためです。学生たちは全国のさまざまな地域に出向き、住民の方の協力のもと“体当たり”で調査をやり遂げています。この学びを生かして、分野を問わず社会課題を解決する人材になってほしいと思うと同時に、今チャンスが広がる「再エネビジネス」に飛び込む学生が出ることにも期待しています。
製品やサービスを利用したときにユーザーが覚える価値。それをマーケティングでは文脈価値といいます。私の研究は、顧客が満足する文脈価値を生み出すうえで企業が取るべき戦略を、マーケティングの視点から明らかにすることです。数多くの企業へのインタビュー調査を実施してきて感じるのは、企業にとって大切なのは売ることを前面に押し出すよりも、まずは企業として顧客に何ができるかを考える姿勢。研究を通じて、そうした利他的な動機から戦略を考えることが重要だという考えに至っています。次の研究対象として注目しているのが京都の老舗企業です。歴史ある企業が、いかに伝統を守りながらイノベーションを繰り返してきたのかを探りたいと思っています。
ゼミでは経営学に関することなら研究テーマは自由。学生たちは好きな商品を扱う企業を調べたり、地域活性化における企業の役割を分析したり、自らの関心に沿って研究を進めています。手法はインタビュー調査がメインです。アポイントが取れた企業に出向き、インタビューを行うことで、座学だけでは決してわからない企業戦略を調査します。ほかにゼミの特色として、企業とのコラボレーションがあります。化粧品会社の社員から指導を受けながら、既存商品の改善に挑戦。その成果として、商品を学内イベントで販売するところまでやり遂げました。このように理論にとどまらない実践的な学問に取り組むことで、ゼミ生たちは社会人として必要な資質に磨きをかけています。
日頃からスマホで音楽や動画を視聴していると、おすすめのコンテンツや広告が表示されます。閲覧や検索、「いいね!」などの履歴に基づく、ユーザーごとに最適化された案内です。この機能は便利なようで、実はプラットフォーム企業に個人情報が収集されていることを意味します。言い換えると、コンテンツを視聴したりアップしたり、能動的に楽しめば楽しむほど、無償労働が発生する仕組みの中に置かれているのです。決して物事の暗部を暴こうとするのではありません。この事例を通じて伝えたいのは、本来楽しい行為であってもいったん疑い、その裏で何が走っているのかを考える大切さです。この視点は私が担当するメディア文化論やゼミにおいて重視しています。
メディア文化論はメディアをテレビや新聞だけでなく、コミュニケーションを媒介するものすべてと捉え、それが日常生活(文化)でどう機能しているのかを考察する授業です。ゼミでも同様に広義のメディアを対象に、その文化的な作用を研究しています。ゼミ生たちはSNS、アイドル、お笑い、ファッションなど自らが日常生活で問題意識を持った“メディア”を起点に、自由なテーマで研究に取り組みます。養ってほしいのはクリティカルなものの見方。メディアや文化に対する今までの見方を覆すとともに、常識を疑ったり吟味したりする姿勢です。一般に楽しむためのメディアを批判的に捉え直してみる。それはより良い社会のあり方を思案するために必要な手続きといえます。