第2回目のワークショップは、前回提示された3つの課題に対する発表からでした。まず1つ目の課題であるチーム名は、3チームでそれぞれ「ほうじ茶」「ふぶき」「甘党」と、京都らしいユニークな名称に決定。続いて残り2つの課題である、「個人で調べたジェンダー問題の課題」と「2030年にあるべき姿や理想について考え、ブレストを経て決まったチームとして解決したい課題3つ」の発表があり、身近に感じている課題から世の中で話題になっている課題まで幅広い意見が出てきました。

課題を発表するチームほうじ茶の学生たち
- チームほうじ茶 : 解決したい課題3つ
- 1. 女性の貧困
生理の貧困が問題視されており、女性の貧困を解消することは必要不可欠である。
- 2. 職業における男女比率の隔たり
介護士や保育士などケアに関わる仕事の女性割合が高く、職業の選択肢が狭い。ジェンダー規範が関係していると考えられる。
- 3. 意思決定の場における女性の少なさ
政治的代表や役職に就く女性が少ない。意思決定の場に女性が増えることによって、多様な意見が反映される社会を実現する。
- チームふぶき : 解決したい課題3つ
- 1. 女子大のあるべき姿
女子大で学びたい専攻があっても、男性やトランスジェンダーの方に対して学びの場として開放されていない。
- 2. 国会議員における男女比率
国会議員に占める女性の割合は男性よりも低く、社会に対して意見を反映しづらい。
- 3. ジェンダー教育の見直し
男性(女性)はこうあるべきというジェンダー規範をなくすために、教育の面から見直す必要がある。

課題を発表するチームふぶきの学生たち

課題を発表するチーム甘党の学生たち
- チーム甘党 : 解決したい課題3つ
- 1. 賃金における男女格差
これから社会の一員となる自分たちにとって避けられなく、社会の課題として根深く残っている。
- 2. 議員や企業の幹部のような重要な役割における女性の少なさ
女性の立場での意見が通らないと、女性にとってより働きやすい社会や環境を作ることは難しい。
- 3. 家庭内における家事育児の負担の男女格差
女性のほうが男性よりも家事育児の負担が大きい傾向がある。
他のチームに対しての気づきを共有し合う際には、「特に男女比率の課題は3チームが共通して感じていたことで、改めて日本において重要な問題だと感じた」、「自分のチームにはなかった視点やアプローチを聞けてよかった」などの意見があり、全体を通じてこれから課題を深掘りし、アイデアを考えていくにあたり有意義な時間となりました。最後に吉高氏(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)から「インターネットの情報に頼らず、生の声を聞いて課題を実感することでいいアイデアが出てくる。そういった機会を積極的に作っていくことが大切。」というアドバイスをいただきました。今回出てきた課題やアドバイスを元に、第三回目のワークショップに向けてアイデア制作に移ります。

次回のワークショップに向けた課題の発表
学生の感想
各チームが見つけたジェンダー問題を共有し、様々な課題が存在することを実感しました。その中でも3チームが共通して感じたことは特に重要で、みんなが気づきやすいものだと思います。チームふぶきさんの女子大に焦点を当てた見方は、私にはなかったものなので大きな気づきになりました。今後の活動の中で一つの視点だけでなはく、複数の視点から課題を見られるように心がけたいと思います。
法学部 / 1年
同じ女子大生でもそれぞれ異なった視点や意見があり、非常に興味深かったです。もっと話し合っていきたいと思いました。女性が女性に対してアンコンシャス・バイアスをもっている場合も多いため、日本社会や自分自身の「当たり前」を疑っていけるかがジェンダー問題の課題の解決方法を多角的に考えていくうえで重要なことだと感じました。
現代社会学部 / 1年
他のチームの発表を聞いて、ジェンダー問題の幅広さに驚きました。よく取り上げられているのは女性に関する問題でしたが、実際は男性に関係する様々な問題も存在しているということが新しい発見でした。自分たちだけでは得られなかった発想や視点があり、自分のジェンダー問題に対する考え方が変わりました。
発達教育学部 / 1年
お話を聞くだけではなく、自分たちで調べたことを発表し、評価し合うことができ貴重な経験をすることができました。企業の方からフィードバックをいただくことができ、これからに生かしていきたいです。「ジェンダー」という難しい問題を、1人ではなくチーム内で話し合うことで、より課題を明確にすることができたと思います。
家政学部 / 2年