大学時代に温かく見守られたことが、
目標に邁進できる私をつくった。

A.Yさん気象予報士・防災士
発達教育学部 教育学科 音楽教育学専攻 卒業

教育・音楽の学びと気象予報士試験の勉強を両立した大学生時代。

大学時代は、教育や音楽の授業と気象予報士試験の勉強の両立を頑張りました。気象予報士試験は、毎年1月と8月に実施され、大学の試験時期と重なって非常に辛かったことを覚えています。試験が近づくと、日中は教育の勉強や音楽棟でピアノの練習をし、夕方以降は気象の勉強をする毎日でした。そうした厳しい日々に救いとなったのは、友人や先生方の存在でした。音楽教育学専攻は1学年四十数名と少なく、合奏や合唱など音楽の授業を通してつくられたアットホームな雰囲気があります。周囲の仲間たちが「予報士試験、頑張ってな」と声をかけ、温かく見守り、応援してくれたからこそ、目標に突き進むことができたのだと思います。結果、大学3回生の1月に気象予報士試験に合格することができました。就職活動では気象会社と教員採用試験を受けましたが、気象会社は不合格。東京で小学校の教員を経験しました。教員2年目に祖父が交通事故で亡くなったことをきっかけに「一度きりの人生、やりたいことに正直に生きよう」と思い立ち、気象会社を再度受け合格、転職しました。気象会社では、テレビ局向けの部署に配属され、自分で天気予報を伝える面白さを知りました。

キャスターとして気象情報を届け、いまは大学院生として研究に取り組む。

西日本豪雨の際に、キャスターとして気象情報で避難を精一杯呼びかけたつもりでしたが、結果多くの方の命が奪われました。「私の仕事は人の命を救えていないのではないか」と無力感に苛まれました。その頃から、気象情報や防災情報を自分ごとにしてもらうにはどうすれば良いかということを考えるようになり、防災学習が重要なのではないかという考えに至りました。そして、いまは大学院生として防災学習や防災まちづくりについて研究しています。小学校で子ども向けの防災授業をしたり、公民館で大人向けの防災講座をしたりしながら研究中です。テレビは視聴者の方の反応がわかりにくいですが、講座では相手の表情や感想がすぐにわかるため、非常にやりがいを感じます。防災は人と人との繋がりが重要なので、講座でのコミュニケーションを通して地域の方々の繋がりが生まれる様子を見ると、自分の活動が防災に少しは貢献できているのではないかと実感し、うれしく感じます。大学時代に学んだ「教育の面白さ」「音楽の人を繋げる力」「天気・防災の知識」はいまの私の研究の礎となっています。また、大学時代の仲間との出会いも宝物です。教員や音楽、そのほかの分野で活躍する友人たちの話を聞くと、自分も頑張ろうと思えます。