○京都女子大学臨床研究倫理審査委員会規程

平成18年2月22日

制定

(設置)

第1条 京都女子大学大学院学則第45条及び京都女子大学学則第60条に基づき、京都女子大学大学院及び京都女子大学(以下「本学」という。)に臨床研究倫理審査委員会(以下「委員会」という。)を設ける。

(目的)

第2条 本委員会は、本学において行われるヒト及びヒトの生体組織を対象とした研究(以下「研究」という。)が、「ヘルシンキ宣言」(世界医師会)の趣旨を尊重して倫理的に実施されるために、「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)(以下「指針」という。)に基づき、被験者の尊厳、人権の尊重、その他倫理的観点及び科学的観点から審査し、研究の適正な推進を図ることを目的とする。

(定義)

第3条 この規程において使用する各用語の定義は、前条に挙げた指針において使用される用語の定義によるものとする。

(委員会の任務)

第4条 委員会は、学長からの諮問に応じ、研究の責任者(以下「研究責任者」という。)から申請された研究計画について、倫理的、社会的及び科学的観点から、本学、及び研究責任者その他の研究実施に関わる関係者(以下「研究者等」という。)の利益相反に関する情報も含めて中立的かつ公正に、指針等に適合しているか否かを次の各号に掲げる点に留意して迅速に審査・判定し、その結果を文書により学長に報告するものとする。

(1) 被験者・試料提供者・その代諾者等(以下「研究対象者等」という。)の個人の人権擁護及び個人情報の保護。

(2) 社会的及び学術的な意義を有する研究の実施。

(3) 研究分野の特性に応じた科学的合理性の確保。

(4) 研究対象者等への負担並びに予測されるリスク及び利益の総合的評価。

(5) 研究期間中、及び研究期間終了後の試料等の保管・廃棄の方法。

(6) 研究対象者等への事前の十分な説明及び研究対象者等の自由意思による同意。

(7) 社会的に弱い立場にある者への特別な配慮。

(8) 研究の質及び透明性の確保と研究実施の責任体制。

2 委員会は、その他研究の適正な実施にかかる事項について、学長からの諮問に応じて審議するものとする。

3 委員会の委員及びその事務に従事する者は、その業務上知り得た情報を正当な理由なく漏らしてはならない。

4 委員会の委員及びその事務に従事する者は、本条第1項の規定により審査を行った研究に関連する情報の漏えい等、研究対象者等の人権を尊重する観点並びに当該研究の実施上の観点及び審査の中立性若しくは公正性の観点から重大な懸念が生じた場合には、学長に報告しなければならない。

(委員会の構成等)

第5条 委員会は、次の各号に掲げるもので組織し、それぞれの委員は学長が委嘱する。ただし、委員は、男女両性で構成するものとし、本学関係者以外の者を2名以上含むものとする。

(1) 医学・医療の専門家等、自然科学の有識者 若干名

(2) 倫理学・法律学の専門家等、人文・社会科学の有識者 若干名

(3) 一般の立場を代表する者 若干名

(4) 研究に係わる学部又は研究所の長(以下「学部長等」という。)

(5) 健康管理センター所長

(6) 研究企画課長

2 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、前項第4号第5号及び第6号の委員の任期はそれぞれ在任期間とする。

3 第1項第1号第2号及び第3号の委員に欠員が生じたときは、ただちに補充するものとし、その任期は前任者の残余期間とする。

(委員会の運営等)

第6条 委員会に委員長を置き、委員の互選により選出する。

2 委員会に副委員長を置き、委員の中から委員長が指名する。

3 委員会は、委員長が招集し、その議長となる。ただし、委員長に事故あるときは、副委員長がその職務を代行する。

4 委員会は、委員の5名以上の出席で成立するものとする。ただし、第5条第1項第1号から第3号の委員が1名以上出席し、かつ男性及び女性の委員がそれぞれ1名以上、本学関係者以外の者が2名以上出席していなければならない。

5 委員会が必要と認めた場合は、委員以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができる。

6 委員会は、申請された研究計画の審査を、原則として2ケ月以内に終了するものとする。

7 委員長は、第9条第4項に掲げる事項については、委員長が指名する複数の委員による迅速審査委員会に付すことができる。ただし、迅速審査委員会の結果については、その審査を行った委員以外のすべての委員に報告しなければならない。

(研究責任者による説明)

第7条 委員会は、第4条に定める審査を行うにあたり、研究責任者に当該研究に関する説明を受けることができる。ただし、研究責任者は、当該研究の審査に同席することはできない。

(情報公開等)

第8条 委員会は、その組織、審査過程及び判定結果その他委員会に係る事項について、原則として公開するものとする。ただし、個人情報又は研究に係る独創性若しくは知的所有権を害する恐れのある場合は、非公開とすることができる。

(審査)

第9条 審査の判定は、「承認」、「条件付承認」、「不承認」とし、出席委員全員の合意によるものとする。

2 委員が研究責任者又は研究分担者等となる研究計画が審査を受けるときは、当該審査に同席することはできない。

3 審査の判定は、次の基準によるものとする。

(1) 申請された研究計画が指針に合致し、科学的かつ倫理的に問題ないと判断した場合は「承認」とする。

(2) 申請された研究計画が科学的又は倫理的には問題はあるが、計画の一部を修正すれば問題は解決すると判断した場合には「条件付承認」とし、付帯条件も併せて明示する。

(3) 申請された研究計画において申請に関する情報が不足していて判断できない場合や、委員会が研究責任者に説明を要請したにもかかわらず応じない場合には、その理由を明示して「不承認」とする。

4 迅速審査委員会において審査できる事項は、以下のとおりとする。

(1) 研究計画の軽微な変更の審査。

(2) 共同研究であって、主たる研究機関において、既に当該研究の全体について倫理審査委員会の承認を受けた研究計画を分担研究機関として実施しようとする場合の研究計画の審査。

(3) 侵襲を伴わない研究であって介入を行わないものに関する審査。

(4) 軽微な侵襲を伴う研究であって介入を行わないものに関する審査。

(研究者等の責務)

第10条 研究者等は、研究の実施にあたり、次の各号に掲げる責務を負う。

(1) 研究対象者等の生命、健康及び人権を尊重すること。

(2) 事前に研究対象者等からインフォームド・コンセントを受けること。

(3) 研究対象者等及びその関係者からの相談、問合せ、苦情等に適切かつ迅速に対応すること。

(4) 研究の遂行上、知り得た情報を正当な理由なく漏らさないこと。研究の実施に携わらなくなった後も同様とする。

(5) 研究に関連する情報の漏えい等、研究対象者等の人権を尊重する観点又は研究の実施上の観点から重大な懸念が生じた場合には、速やかに学長及び研究責任者に報告すること。

(6) 法令、指針、本規程等を遵守し、委員会の審査及び学長の許可を受けた研究計画書に従って、適正に研究を実施すること。

(7) 研究の倫理的妥当性若しくは科学的合理性を損なう事実若しくは情報又は損なう恐れのある情報を得た場合(次号に該当する場合を除く。)には、速やかに、研究責任者に報告すること。

(8) 研究の実施の適正性若しくは研究結果の信頼を損なう事実若しくは情報又は損なう恐れのある情報を得た場合には、速やかに、研究責任者又は学長に報告すること。

(9) 研究の実施に先立ち、また、研究期間中も適宜継続して、研究に関する倫理並びに実施に必要な知識及び技術に関する教育・研修を受けること。

(研究責任者の責務)

第11条 研究の計画及び実施にあたっては、個々の研究計画ごとに研究者等の中から研究責任者を定めなければならない。

2 研究責任者は、次の各号に掲げる責務を負う。

(1) 研究の実施に先立ち、指針に基づき、研究の倫理的妥当性及び科学的合理性が確保されるよう、適切な研究計画書を作成し、第12条に定める申請を行うこと。研究計画を変更するときも同様とする。

(2) 研究計画書作成にあたり、研究対象者等への負担並びに予測されるリスク及び利益を総合的に評価するとともに、負担及びリスクを最小化する対策を講じること。

(3) 研究計画書に従って研究が適正に実施され、その結果の信頼性が確保されるよう、当該研究に関わる研究者をはじめとする関係者を指導・管理すること。

(4) 研究実施期間中は、当該研究により期待される利益よりも予測されるリスクが高いと判断される場合は、研究の継続や停止、中止、研究計画変更等の判断を行い、遅滞なく学長に報告すること。

(5) 研究対象者に健康被害が及ぶことが予想される場合には、その補償を行うために、あらかじめ、保険への加入等の措置を講ずること。

(6) 介入を行う研究については、第13条第3項により許可を受けた後、国立大学附属病院長会議、一般財団法人日本医薬情報センター又は公益社団法人日本医師会が設置する公開データベースのいずれかに、研究の実施に先立って登録し、進捗に応じて適宜更新のうえ、研究終了後は遅滞なく研究結果を登録すること。

(7) 侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものを実施する場合には、許可を得た研究計画書に定めるところにより、モニタリング及び必要に応じて監査を実施すること。

(申請手続き等)

第12条 本学において行われるすべての研究は、指針及び本条に定める手続きに基づき、学部長等を経て学長に届け出、許可を受けなければならない。

2 研究責任者は、研究を実施しようとする場合、あらかじめ申請書類(所定の様式)に必要事項を記し、学部長等を経て学長に提出し、学長の許可を受けなければならない。また、許可を受けた研究計画を変更する場合も同様とする。

(判定の通知)

第13条 学長は、前条第2項の申請があった場合、申請された研究計画の倫理的妥当性の審査を委員会に諮問するものとする。

2 委員会は審査終了後、遅滞なくその内容を臨床研究審査結果報告書(所定の様式)にまとめ、学長に報告するものとする。

3 学長は、申請された研究計画の実施の許可あるいは不許可の決定を行い、その結果を当該研究責任者に通知するものとする(所定の様式)

(有害事象の発生・経過報告等)

第14条 研究責任者は、研究期間が3年以上にわたる場合には、学部長等を経て臨床研究実施状況報告書(所定の様式)を学長に提出しなければならない。

2 学長は、前項の規定により、臨床研究実施状況報告書の提出を受けたときは、委員会にその報告内容に関して諮問するものとする。

3 研究責任者は、研究対象者に有害な事象等の不利益が生じたときは、速やかに、研究対象者等への説明等、必要な措置を講じるとともに、直ちに学部長等を通じて学長に報告しなければならない。

4 学長は、前項の規定により、有害な事象の報告を受けたときは、速やかに必要な対応を行うとともに、当該有害事象について委員会に諮問し、当該研究の中止、研究計画の変更等の必要な措置を講じるものとする。

5 学長は、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行うものの実施において予測できない重篤な有害事象が発生し、当該研究との直接の因果関係が否定できない場合には、速やかに、厚生労働大臣に報告し、公表するものとする。

(研究報告)

第15条 研究責任者は、研究の終了後遅滞なく、学部長等を経て学長及び委員会に、臨床研究終了報告書(所定の様式)により、研究結果の概要を報告しなければならない。また、許可をうけた研究計画を中止する場合も同様とする。

(研究に係る試料及び情報等の保管)

第16条 研究責任者は、人体から取得された試料及び情報等を保管するときは、研究計画書にその方法を記載するとともに、適切に保管されるよう必要な監督を行わなければならない。

2 研究責任者は、保有する情報等について、可能な限り長期間保管されるよう努めなければならず、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介入を行う研究においては、少なくとも、当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日又は当該研究の結果の最終の公表について報告された日から3年を経過した日のいずれか遅い日までの期間、適切に保管しなければならない。また、匿名化された情報について、本学が対応表を保有する場合には、対応表の保管についても同様とする。

3 他の研究機関から既存試料等の提供を受けて研究を実施するときは、提供を受ける試料等に関する記録を作成し、当該記録を当該研究の終了について報告された日から5年を経過した日までの期間保管しなければならない。また、試料等の内容及び提供を受ける必要性を研究計画書に記載して委員会の承認を得て、学長の許可を得ること。

4 他の研究機関へ研究に用いるための試料を提供する場合には、試料等の提供時までに原則として研究対象者等から試料等の提供及び当該研究における利用に係る同意を受け、当該試料・情報の提供に関する記録を作成し、当該試料・情報の提供をした日から3年を経過した日までの期間保管しなければならない。

(事務局)

第17条 委員会に関する事務は、研究企画課が所掌する。

2 事務局は、本委員会の事前審査、決議内容、その経過及び事後評価等を記入した議事録を作成し、5年間保管するものとする。

(補則)

第18条 この規程に定めるもののほか、委員会の管理運営に関する必要な事項は、学長が別に定める。

(改廃)

第19条 この規程の改廃は、委員会に諮り、評議会の議を経て学長の申し出に基づき学園長がこれを行う。

1 この規程は、平成18年2月22日から施行する。

2 第4条第1項の規定にかかわらず、本規程施行の日から3年を限度として、臨床研究を含む投稿論文についても、本規程を準用して審査を行うことができるものとする。

3 第5条第2項の規定にかかわらず、同条第1項第1号第2号第3号及び第7号の委員の任期は、本規程施行の日から平成20年3月31日までとする。

この規程は、平成19年4月1日から施行する。

この規程は、平成20年4月1日から施行する。

この規程は、平成23年4月1日から施行する。

この規程は、平成27年4月1日から施行する。

この規程は、平成27年7月14日から施行する。ただし、改正後の第11条第2項第7号については、平成27年10月1日から適用するものとする。

この規程は、令和2年4月1日から施行する。

この規程は、令和4年4月1日から施行する。

京都女子大学臨床研究倫理審査委員会規程

平成18年2月22日 種別なし

(令和4年4月1日施行)

体系情報
京都女子大学臨床研究倫理審査委員会規程
沿革情報
平成18年2月22日 種別なし
平成19年4月1日 種別なし
平成20年4月1日 種別なし
平成23年3月22日 種別なし
平成27年3月17日 種別なし
平成27年7月14日 種別なし
令和2年3月31日 種別なし
令和4年4月1日 種別なし