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研究・卒業論文

セミナーレポート

現代人の思い込みを捨てて、中世人の感覚で狂言作品を読み解く。

研究テーマ:中世文学〜狂言の作品研究〜

3回生の前期で狂言の台本から曲を一つ選んで研究を行い、後期はさらに深く学びたいテーマを掘り下げて発表します。狂言は喜劇であり室町時代の口語という比較的わかりやすい言葉が使われているがゆえに、思い込みや現代人の感覚で解釈を誤ってしまう恐れがあります。根底には時代を超えた普遍的な要素があるものの、当時の社会背景や常識は現代とは異なる点も多く、学生にはその時代を生きた人の感覚で読み解くよう助言しています。国文学特殊講義3では狂言の実演も交えた授業を行っているので、あわせて受講してより狂言への理解を深めようとする学生もいます。この研究・発表を通して、自ら確認し考える意義を理解し、物事を見極める能力を身につけてほしいと思います。

国文学科 川島 朋子 准教授

卒業論文一例

  • 古代文学にみる烏の表現
  • 『宇治拾遺物語』「雀報恩の事」と昔話『舌切り雀』の関係性─赤本『したきれ雀』との比較を中心に─
  • 『古本説話集』上巻第三十八話「樵夫詠隠題事」成立考—木こる童と散る桜—
  • 狂言における宗教者の力関係について—他の文学作品と比較して—
  • 藤原有家の詠作手法—『六百番歌合』を中心に—
  • 泉鏡花「琵琶伝」の鸚鵡—鸚鵡琵琶の役割とその典拠—
  • 太宰治「虚構の春」—引用文の切り貼りの表現について—
  • 詩人柏木如亭の鰹の表現について
  • 恋愛歌における男女の表現差—1975年から2021年の恋愛歌について—
  • 京丹後市方言の残存状況—語句、連母音の融合現象を中心に—
  • ドナルド・キーン英訳『斜陽』における誤訳—主語省略復元に着目して—